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危険地帯  作者: 文平文平
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始まり

 人間は変われない。

 でも、日常は…


 僕、紅糸祭べにいとまつりは、普通の男である。

 桜坂おうざか高校の二年生、部活は帰宅部に所属。成績もいいともいえない。

「ひでぇ雨だ」

 ただ、かなり運が悪い。これだけが僕の個性である。

 今日は天気予報を見ていなかった、そのせいで僕は雨に打たれながら帰ることになりそうだ。

 授業が終わり、玄関前で僕はぼぉ…と突っ立っていた。

「傘、入る?」

 僕がとりあえずバッグを雨よけに帰ろうか、と考えていると友人の錦恋にしきこいが話しかけてくる。

 いや、いくらなんでも異性と相合傘は…

「あ…あうあ」

 動揺して上手く断ることが出来ず、結局傘にいれてもらうことになった。


 僕達は周りからの変な視線を浴びながら道を歩いていた。

「なんか、久しぶりだね、一緒に帰るの」

 恋とは小学生からの友人である。

 多分、小学3年以来なのではないだろうか。

 一緒に帰るのは。

「そういえば、ぜんぜん話とかしてないよな」

「そうかな?」

 あれ? まず学校で見ることすら少ないような気がするが。

「お前、まず学校ちゃんと来てんのか?」

「うん、行ってるよ」

「この前の全校集会に参加してたか?」

「…」

 黙ってしまった。

 気まずい。

「じゃ…じゃあここいらで」

 僕は傘から抜け、道を右に曲がる。

 パァン

 妙な音がした。何かが爆ぜるような音が。

 僕は振り返った。

 恋が死んでいた。

「ファッ?」

 頭が無かった。最初ぼくは恋だとは思えなかった。

「う…」

 だがそれが持っているのはさっきまで僕が入っていた傘だ。

 それを見て僕は、ようやくこれは恋だと思えた。

「うわああああああああああああぁぁぁぁ!」


 僕の日常が動き始めた瞬間だった。


 続く


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