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第111話 巨大なる敵



デスナイトの剣が、再び振り下ろされた。


「右へ!」


リオンが叫び、私たちは右へ跳んだ。


巨大な剣が地面を叩きつける。


ドォォン!


衝撃が走り、石の破片が飛び散った。


「こいつ、一撃が重すぎる……!」


ゼノが歯を食いしばりながら言った。


「正面から受け止めるのは無理ね。回り込むしかないわ」


エレナが冷静に分析した。


リオンは素早く指示を出した。


「ゼノ、俺と一緒に正面から陽動する。セリア、エレナ、ケイン、ルナは側面と背後に回り込め!」


「了解!」


私たちは散開した。


リオンとゼノが正面に立つ。


デスナイトの注意を引きつけるため、二人が剣を構えた。


「おい、こっちだ!」


ゼノが叫んだ。


デスナイトがゼノに視線を向ける。


そして——巨大な剣を横に薙いだ。


「くっ!」


ゼノが伏せる。


剣が頭上を通過し、風圧が髪を揺らした。


リオンが踏み込む。


彼の剣が、デスナイトの足元を狙った。


だが——デスナイトは盾で防いだ。


ガキィン!


激しい金属音が響く。


「硬い……!」


リオンが舌打ちした。


その隙に——私たちは側面に回り込んだ。


エレナが右側から、ケインが左側から、ルナが背後から。


そして私は——デスナイトの右足を狙った。


剣を振り下ろす。


刃が——鎧の継ぎ目に食い込んだ。


デスナイトが僅かによろめく。


「効いたわ!」


エレナが叫び、彼女も継ぎ目を狙った。


ケインとルナも同様に、鎧の弱点を突く。


デスナイトが——動きを鈍らせた。


「今だ!」


リオンが叫び、ゼノと共に正面から攻撃した。


二人の大剣が、デスナイトの胴体に叩きつけられる。


だが——鎧は硬い。


刃が弾かれた。


「くそ……!」


ゼノが悪態をついた。


デスナイトが——反撃に出た。


盾を振り回す。


巨大な盾が、私たちを薙ぎ払おうとする。


「危ない!」


私は後退した。


だが——エレナが間に合わなかった。


盾が彼女に迫る。


「エレナ!」


ケインが叫び、エレナを突き飛ばした。


エレナは転がり、盾を躱す。


だが——ケインが盾に吹き飛ばされた。


「ケイン!」


リオンが叫んだ。


ケインは壁に叩きつけられ、崩れ落ちた。


「ケイン、大丈夫!?」


エレナが駆け寄った。


「……うっ……大丈夫、だ……」


ケインが苦しそうに答えた。


だが——立ち上がることができない。


「まずいぞ!一人減った!」


ゼノが叫んだ。


デスナイトが——再び剣を振り上げた。


今度は——倒れたケインに向けて。


「させるか!」


リオンが駆け出した。


彼はケインの前に立ち、剣でデスナイトの攻撃を受け止めようとした。


ガキィィィン!


激しい衝撃が走る。


リオンの剣が——軋んだ。


「くっ……重い……!」


リオンが膝をついた。


デスナイトの剣が、じりじりとリオンを押し潰そうとする。


「リオン!」


私は駆け出した。


身体が勝手に動く。


デスナイトの背後に回り込み、鎧の継ぎ目を狙う。


剣を突き刺す。


刃が——深く食い込んだ。


デスナイトが動きを止める。


リオンが剣を払い、後退した。


「助かった……!」


彼が息を吐いた。


私は剣を引き抜き、再び距離を取った。


デスナイトが——私を見た。


赤い目が、こちらを見据えている。


そして——剣を振り下ろした。


「セリア、逃げろ!」


ゼノが叫んだ。


私は横に跳んだ。


剣が地面を叩きつける。


衝撃で、私は吹き飛ばされた。


「くっ……!」


私は地面を転がり、なんとか体勢を立て直した。


息が上がる。


疲労が溜まっていた。


「……このままじゃ、まずいわね」


ルナが冷静に言った。


「ああ。ケインは戦えない。このままじゃ、全滅する」


ゼノが答えた。


リオンは考え込んだ。


「……弱点を見つけないと」


彼が呟いた。


私はデスナイトを観察した。


巨大な身体。


黒い鎧。


赤い目。


……弱点は?


継ぎ目は効果があった。


でも——致命傷には至らない。


他に——何かあるはずだ。


私は目を凝らした。


そして——気づいた。


デスナイトの胸部。


そこに——微かな光が見える。


赤い光。


まるで——心臓のように。


「……胸だ」


私は呟いた。


「胸?」


リオンが振り向いた。


「デスナイトの胸に、赤い光がある。あれが——核だ」


私は指差した。


リオンが目を凝らした。


「……本当だ。確かに光ってる」


「あそこを破壊すれば、倒せるかもしれないわ」


ルナが言った。


「でも、どうやって?鎧が硬すぎる」


ゼノが尋ねた。


私は考えた。


……鎧を貫くには。


普通の攻撃では無理だ。


でも——もし、全員の力を合わせれば。


「……全員で、同時に胸を狙う」


私は言った。


「同時に?」


エレナが尋ねた。


「ああ。一人の攻撃では貫けない。でも、全員の攻撃を一点に集中させれば——貫けるかもしれない」


私の言葉を聞き、リオンが頷いた。


「……やってみる価値はあるな」


「でも、ケインは戦えないわ」


エレナが言った。


「俺は……大丈夫だ……」


ケインが壁に寄りかかりながら言った。


「立てなくても……剣は、投げられる……」


彼が剣を握り締めた。


「……わかった」


リオンが頷いた。


「じゃあ、作戦はこうだ。俺とゼノが正面から陽動する。その隙に、セリア、エレナ、ルナが側面から胸を狙う。そして——ケインが投げた剣で、最後の一撃を加える」


「タイミングが重要ね」


ルナが言った。


「ああ。俺が合図を出す。それまで、各自準備しろ」


リオンが指示を出した。


私たちは頷き、配置についた。


リオンとゼノが正面に立つ。


私、エレナ、ルナが側面に回り込む。


ケインは壁に寄りかかったまま、剣を構えた。


「……行くぞ!」


リオンが叫び、デスナイトに向かって走った。


ゼノも続く。


二人の剣が、デスナイトの注意を引く。


デスナイトが剣を振り下ろす。


リオンとゼノが左右に分かれて躱す。


そして——私たちが動いた。


三人同時に、デスナイトの胸を狙う。


剣を突き出す。


「今だ、ケイン!」


リオンが叫んだ。


ケインが剣を投げた。


剣が——宙を舞う。


そして——デスナイトの胸に、四本の剣が同時に突き刺さった。


ガキィィィン!


激しい衝撃が走る。


鎧が——砕けた。


赤い光が——消えた。


デスナイトが——動きを止めた。


そして——崩れ落ちた。


巨大な身体が地面に倒れ、轟音を立てる。


「……やった……のか?」


ゼノが息を切らしながら言った。


私はデスナイトを見つめた。


動かない。


赤い光も消えている。


「……ああ、倒した」


リオンが答えた。


私たちは——勝利した。


だが——疲労が一気に押し寄せてきた。


私は膝をつき、深呼吸した。


「……みんな、大丈夫か?」


リオンが声をかけた。


「ああ……なんとか」


ゼノが答えた。


「ケインは?」


エレナが駆け寄った。


「……大丈夫だ。痛いけど……生きてる」


ケインが笑みを浮かべた。


私たちは——全員無事だった。


そして——空間の奥に、扉が現れた。


「……出口か」


リオンが呟いた。


「行きましょう。この先に、343階層があるはずよ」


ルナが言った。


私たちは立ち上がり、扉へ向かった。


疲れていたが——前に進むしかない。


扉を開けると、その先には——階段があった。


343階層への階段だ。


私たちは階段を降り始めた。


そして——私は、ふと思った。


共に戦ったから、勝てた。


一人だったら——きっと、勝てなかっただろう。


仲間がいるから——強くなれる。


私は——そう信じていた。


でも——心の奥底では、小さな違和感が静かに残り続けていた。


それが何なのか——まだ、わからない。


ただ——確かに、そこにあった。

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