いざ王都へ
「おはようございます、サーシャ」
「え……うん、おはようラント。所で何で俺の横に寝てるの?」
「ふふ」
ラントは意味深に笑いスタスタと歩いていった。謎は深まったが、いつまでもここで呆けている場合じゃない。サッサと支度して皆のところに行かなければ。
ガサガサと自分の荷物を漁り服を出す。因みに服は、この森に来た初日にフレイによって全てズタズタにされたのでラトの服を借りていた。だが、村を出る前に寄ったララヤさんの服屋で貰った魔法の布が遂に直ったのである。元々自己修復機能を備えていたが、繊維になっても直るとは思わなかった。直りかけているのに気付いたのは少し前だったが、その時は嬉しさのあまり泣いた。
久し振りの魔法の布に魔力を流す。フワッと光り俺の体を覆う様に広がる。元の白色から思い描く通りの色に変わっていく。色を決め形を整えたら完成。
「旅にピッタリの長ズボンに厚手の長袖……になる筈が。何でフリフリのミニスカートメイドなんだよ!!!」
魔法の布が復活したことを喜んでいた自分を殴りたい。それから一時間、試行錯誤を重ねたが、何故かこの形から動かなかった。ラト達が心配して呼びに来たため諦めてこの格好で行くことになった。散々からかわれた。
「さて、サードも来たしそろそろ出発しましょうか!」
「うむ、我も準備は万端だ」
「サーシャ、忘れ物は無いですか?」
「いや、大丈夫だって。ディベルは忘れ物は大丈夫か?」
「おう!バッチリだぜ!」
全員準備万端、コクリと頷いたラトが森の外に向けて歩き出す。ラトに取っては久し振りの森の外、ワクワクが止まらないのだろう。足取りは軽く、好奇心旺盛な昔のままだった。
その姿にフレイも満足げに笑い、続いて歩き出す。ディベルが俺の手を引っ張り競争だと言って走って行く。ラントが追いかけて止めようとするが結局、誰が一番速く森を抜けれるかを競うことになった。
フレイの圧勝だった。




