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3 伯爵から殴られました
「この馬鹿者っ!」
そう言って伯爵から殴られました
頬にガツンと強い衝撃が走りました
そして床の倒れました
口の中が切れて血の味がします
まあいつも通りですね
「申し訳ありません」
一応謝罪します
だってしないとさらに殴られますからね
「本当になんてことをしてくれたんだ!
ドレスにジュースを掛けるなんて!」
伯爵様は激高していました
そこには理性も知性もありませんでした
ただ伯爵である自分が蔑まれたという事実だけが真実でしょう
自分の娘がドレスにジュースを掛けられたという事実はどうやら頭の中にないみたいです
あるのは他人のドレスにジュースを掛けたという事実だけ
そしてそれにより伯爵が噂されるだろうという予想だけみたいです
そしてその鬱憤を自分の娘を殴ることによって解消しようとする欲求だけです
これが伯爵令嬢のいつもの生活風景