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シングルママ愛子 vol.95. 川岸のいる控室。
「おばちゃん…もう…???」
その琴美の声に…、愛子は…、琴美を抱き締めながら、
声を詰まらせながら…、
「うんうん。」
そして目に涙を溜めながらも、
「…そう…、パパと…同じになっちゃった。」
葬儀社の控室となっている一室には、
室内に搬送された基子が一面の白い布に覆われ設置され、
川岸は部屋の中の座卓で係りの人と打ち合わせをしていた。
一度こういう光景を見た事のある琴美は愛子に連れられ、
葬儀社の中を歩いて川岸のいる控室に向かっていた。
その途中で黒い背広や黒い着物を着た男性や女性の姿を見ながら…。
そして、その控室のドアを開いて、川岸を見て、
そして目に飛び込んできた白い布に対面する。
川岸が…、
「愛さん。」
そして、その隣にいる琴美を見て…、
「琴ちゃん、来てくれたんだ。ありがとう…。」
そして、
「琴ちゃん…ごめん。モコおばちゃん…。」
それ以上は声を出さずに、目配せをして、
基子に被せられてある白い布に手を向けて…。




