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シングルママ愛子  作者: THMISmama
94/176

シングルママ愛子  vol.94.  「琴の声、聞こえなく…。」

葬儀社に近づく事によって琴美の声はなくなっていった。

そして…、

「ママ…、ここって…???ここにモコおばちゃん…いるの…???」


愛子は遂に涙を止める事が出来なくなり、

葬儀社の駐車場に停め、車の中で琴美を左腕で抱き締めた。

「ママ…どうしたの…、どうして泣いてる…???」


鼻水を啜り、愛子は琴美に。

「琴~、このぬいぐるみ、モコおばちゃんに、ギュッと抱いてもらおう。ねっ。」

「うん。」


涙を拭いながら愛子は、琴美に、

「琴~、モコおばちゃんね…、もう…琴の声、聞こえなくなっちゃった。…ううん…、ママの声ももう聞こえない。…それに川じぃの声も聞こえなくなっちゃった。…そして…目も見えなくなっちゃった。そして…体も…冷たくなっちゃった。」


何も言えない琴美に愛子は続ける。


「琴…、そんなモコおばちゃんに、あいさつできる…???」


琴美は少し考えているようだったが…、やがて…。

愛子の顔を見て、愛子の頬に伝う涙を見て…。





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