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シングルママ愛子 vol.93. 「モコおばちゃんのトコ…???」
けれども、車が向かっている窓から見る景色がいつもとは違うのに、
小学2年生の琴美も、少しずつ気付いて…。
「ママ…、この道って、モコおばちゃんのトコ…???」
「…ん…、そう…ちがう…。」
少し口の中の物を飲みこんだように…。
今までぬいぐるみと基子の事を独り言のように言っていた琴美のその一言で、
車の中の雰囲気が変わっていった。
「ママ…、モコおばちゃんのトコ…行かないの…???」
その琴美の声に愛子は、
「琴…、モコおばちゃんね、場所…変わったんだ。もうすぐ…教えてあげるね。」
今はまだ、琴美にそれしか教えられない愛子自身、
歯痒かった。
自分の父親をついこの前亡くしたばかりの子供に、
また今、自分を可愛がってくれた一人の人物が亡くなってしまった事を伝えるのに、
どうやって伝えて良いのか思案していたのだった。
けれども、必然的に、その現実は琴美の目の中に、
実際が露わになるのだった。




