91/176
シングルママ愛子 vol.91. これからママと琴…。
「そう…琴…女の人の声…聞こえたんだ。」
「うん、女の人…、琴…恐かった。」
「そうね…恐かったね。…そうか…。」
愛子は、その女の人の声を恐がって学校帰りに、
急ぎ足で帰ってきた琴美を抱き締めて、
「琴~これからママと琴…ちょっと出掛けなきゃいけない。いい…???」
「うん、いいけど、どこに行くの…???」
「ん~モコおばちゃんのトコ…。」
「行く行く~琴行く~!」
まだ基子が死んだ事を知らない琴美と共に出掛ける事にした愛子は、
まず川岸に電話を入れた。
基子は既に準備され病院を出ていた。
基子のいた病室は既に他の患者が入っていると言う。
川岸は哀しみの淵にいたが、それでも、すぐさま、
以前の栄二の時と同じように、葬儀の準備も進めていた。
関連筋から今可能な葬儀社に手配して、
そちらに向かっている矢先だった。
川岸との電話で愛子も、
「…ああ、そこなら私もこの前の件で知ってる。じゃあ、そっちに行けば良いのね。分かった。」




