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シングルママ愛子 vol.8. 突然に訪れた現実。
そんな白血病の妻を抱えながらも…。
しかし、そんな白血病の妻を一番可愛がってくれたのが新谷愛子なのである。
実は愛子の紹介で川岸は妻の基子と知り合い結婚。
結婚して2年が経っている。
子供を待ちわびる夫婦に、思いも掛けずに起きた基子の災難である。
そんな基子の現実を抱え込みながらも、
予想もしなかった自分のボスでもある新谷栄二の突然の死。
それに自分たちの仲人親でもある、その存在を失ったのである。
病院の時点で葬儀の手続きからその他諸々、
愛子の手を取り進めてきたのであった。
新谷栄二の両親は東北は青森にて農業を営んでいる。
栄二には兄が1人おり、両親と兄が専業農家として農業経営をしている。
妻は最寄の農協に勤務し、農協職員。子供たちは共に中学生。
殆ど上京する事などなく、専ら栄二夫婦と子供の琴美が、
お盆や正月に青森に帰省するくらいである。
忙しい農作業の傍らではあったが、不意に蒙った状況に、
青森から家族全員が上京していた。