74/176
シングルママ愛子 vol.74. 余りに突然。
歩き進めようと…、ふと何気なく顔をリビングに向けた時に、
そのまま…何故か吸い込まれるように…。
「あら…???」
リビングのテレビの傍にある、
キャビネットの上に飾られている写真が倒れているのだった。
「変ね…風もないのに…???」
それと同時に、基子の病室に飾られている花瓶の花も、
ひとひら、ひとひら散り始め…、
ベッドの中の基子の左腕が布団の上に置かれていた。
丁度基子の病室の廊下を通り掛かった看護師が、
様子を窺いにドアを開けすぐさまナースコールを…。
ナースステーションでは、その基子の部屋のランプが点灯し、
ベルが鳴り、看護師が病室に向かっていた。
看護師の一人、師長が医師を呼び、医師も急いで基子の病室へ。
目はしっかりと閉じられ顔面蒼白、
右に向けたままの顔、そして口からは吐血。
シーツが血の色に染まっていた。
既に脈はなく、心肺停止。手の施しようのない状態だった。
つい1時間前の巡視では看護師には笑顔で、
「おはよう」の挨拶をしていた基子であった。
それが…、余りに突然に…。




