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シングルママ愛子 vol.65. 一大事業の一つ。
「お…、おう…。」
先日、事故の起きた現場である。
今や既に、あの時の状況は何処へやら…、
そんな…何事もなかったような現場となっていた。
実際、事故は事故として処理はされたが、
その後、すぐにあらゆる角度からの検証、
そして原因とその対策がそれぞれ掲げられ、議題にも上げられ、
または関わり合った家族との事、他にもお役所関係などと、
ありとあらゆるしがらみを一つずつ、解決。
…しかし、まだその全面解決までは漕ぎ着けてはいないものの、
建築工事は、クライアントの希望のまま、順調に事が進んでいた。
何故なら、ここの建築工事は、今後の会社を更に業績向上にするための、
一大事業の一つだったのである。
その一大事業を長年の付き合いを買われて栄二が畑違いではあったが、
営業から工事の全般に至って、クライアントから契約まで介入させられた受注だったのだ。
ある意味では、新谷栄二だからこそ、
成し遂げられた受注だったのである。




