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シングルママ愛子 vol.62. 俺…そんなに…。
「だから~諦めて、今度から~そこ、座れ~!」
「…って…言われても…。参ったな…。」
突然の事の状況に何をどうすれば良いのか…、と言うより…、
一瞬、川岸の頭に過ったのが…、
「なんで俺…???」
「近々辞令が出る~まぁ~とにかく~やれ!」
喜ぶと言うより、いきなりの成り行き上、覇気のない声で立花に…、
「分かりました。」
とだけ、応え自分の席に向かう川岸に…、
「川さん、よっしゃ~!」
「川岸さん、やったね!」
「か・わ・ぎ・し~!」
川岸自身、全く予想だにしていないこの状況下に、
部署の社員の誰もが、川岸に対して、温かい言葉を贈ってくれるのだった…。
それに川岸は…、
「え~ッおいおい…。」
と、これも予想だにしなかった部署の面々を目の当たりにしたのだった。
その中で、川岸より先輩格の一人の古川浩司も、
「川~やったな~頼むぞ~お前~!はっはっは~!」
その言葉に、思いも掛けずに、部署のムードが和やかになったのだった。
人知れず、川岸の胸に…、
「俺…そんなに…、皆…。」