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シングルママ愛子 vol.59. 私の財産なのよ。
基子…、そんな愛子の顔を見て…、
「……。」
「…ん…???どしたのモコ…???」
「……。愛姉ぇ…強~い。」
基子のそんな言葉を聞いて…、
「…えっ…???バカ…、何言ってんのよ…。はは…、そんな…わけないでしょ。」
「だって…ついこないだ旦那様が亡くなったのに…。」
基子のその言葉を聞いた瞬間、また…じんわりと…瞼に…。
けれども、それを一気に元に引き戻して、
「私には~琴とモコ…あんたがいるし、それに川ちゃんがいる。これって、私の財産なのよ。この大っきな財産がある限り、生きなきゃって、そんな風に感じたの…。その分…思いっ切り泣いたけどね…。」
「栄二もね…、人生の中途半端で逝っちゃったけど、私に…跡を頼むって、言ってるんだって気がするの。」
「愛姉ぇ…。」
「そういう意味じゃぁ、今回…、モコには悪いけど、ちょいと旦那を独占しちゃったけどね…。」
「…ん…???あっ…、そうか…トシね…。どうぞ、どうぞ…幾らでも使って、愛姉ぇの気が済むまで…。」
「…って…、それでいいのぉ…モコ…???」