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シングルママ愛子 vol.57. 花瓶の花。
「へっへっへ~でしょう~!な~にモコおばちゃんと内緒話してたの…ん…???」
「ふふ…。琴ちゃんがね、私が毎晩泣いているから、じゃ、琴ちゃんが私と一緒に夜寝てくれるんだって。」
「あ~らまぁ、んじゃあさ、琴…、あんたご飯どうするの…???ここじゃ、大好きなハンバーグ…食べれないよ~!」
「んもう…ママまでそういう事言う。…モコおばちゃん…???寂しくない…???琴がいなくても…???」
何とも健気な事を言う琴美に、基子もついつい可愛いと思い、
涙を流す振りをして、ウソ泣きをして…、
「悲しい…、寂しいけど、仕方ないもの…。」
そんな基子を見ながら愛子も…、
「ようやるわ!」
ポツリとそう言って、また花瓶に生けた花を見て、
「綺麗~」
「うん、ありがと、愛姉ぇ」
「英二ももう来れないからね、その分も…って、思ってね。」
何も言えないで、黙って花瓶の花を見る基子。
「…で、モコ…、どうなの、体の方は…???」
「うん…、今のところは特に…。もしかしたら…、骨髄移植…する方向も…って。」
「そっか…。でも…その方がいいかもね…。治る確率が幾らでもあった方が…。」




