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シングルママ愛子 vol.49. 任せちゃおうか…。
「明日、仕事帰りに伺います。私じゃないと分からない事も会社関係でありますから。」
「ごめんねぇ、プライベートまで潰しちゃうみたいで…。」
「とんでもないです。逆に、これは私の仕事でもありますから…。」
「そう言ってもらうと、気が楽…。」
「奥さんは別に気にしないで、家の事に専念していてください。」
「ありがとう…。…じゃ、その辺は川ちゃんに…、任せちゃおうか…。」
最後の方は語調を低くして…。
そんな感じを受け止めて川岸も、
「はい、僕に任せて下さい愛さん。」
「じゃ、おやすみ。」
携帯を閉じて、その時に、ふいに心が少しだけ落ち着いた感じになった。
その時、一瞬…、
「なに…???このふんわりとした感じ…???」
何かが違う。そんな気分を意識しながらも、けれども、現実に引き戻され、
そしてまた、リビング戻る愛子。
愛子の顔を見て慶子が微笑む。
そんな慶子に、
「川岸さんから。」
「ふ~ん。」
と、慶子が頷く。
「川岸さんも今大変なの、奥さんが病院に入院しているのよ。」
「あら…!」