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シングルママ愛子 vol.39. 「いつもと声、違うね。」
「でも、彼女からすれば。そんなさらりとした内容の電話が、唯一の縋ってみたい藁…。そんな風に私に言ってくれたわ。」
栄二の写真を見ながら、そして何かを感じながら、
そのまま慶子の話に耳を傾ける愛子。
「その内、彼からの電話にも、少しずつ彼女、明るい声が出るようになったの。…何故だか分かる…???」
「彼女の気持ちが変わった…???」
「うん、それもある。…でも一番が、娘の声。」
「えっ、娘さんの…???」
「うん、子供の声…。」
愛子が不思議そうに慶子の話に聞き耳を立てる。
「母親が誰かと電話している声って、大概は女性との電話、そういう時って、いつも同じような声なのね。でも、そんな母親の電話での声も、ときどき、調子が違う声があったらしいの。それが男性との電話の時。つまりは彼との電話の時。」
「へぇ~。」
「ママ、いつもと声、違うね、何だか嬉しそう。なんて言われたんですって。」
「まっ。」
「そんな事、子供から言われてみなさい、しかも小学2年の…。母親としても、考えちゃうわよね~!」




