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シングルママ愛子 vol.37. いた時と、いない時の差。
「最初はね、亡くなったご主人の事、そう簡単には忘れられないものよ。ましてや、2人の間には愛娘がいるんですもの。」
「うんうん、分かる分かる。」
「でもね、やっぱり違うのね。たったの2ヶ月、たったの2ヶ月で、彼女、その彼氏の事…、気持ち的に受け入れ始めたの。どうしようも…なかったのね~!」
「えっ、どういう事…???」
「ご主人がいた時と、いない時の差。まぁ…中には強い女性もいて、何年も女手一つ…。そんな女性もいるけど…。それは、それで、周りにそういう男性がいなくて、巡り合わせがない。」
「うんうん、そうよね。」
「でも、彼女は違ってたの。旦那が亡くなって、葬儀の時から彼が、彼女の幼馴染として、亡くなった旦那さんにもお悔みをしていたの。そして彼女に優しく声を掛けて上げて、困ったときにはいつでも手伝うよって、連絡先まで…。」
「へぇ~。」
「もちろん、最初は彼の方から時々様子窺いみたいに彼女に電話したみたい。…別の意味で言えば、彼以外に彼女に様子窺いの電話なんて、同性の友達程度…。」
「ふぅ~ん。」