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シングルママ愛子 vol.36. 縁なんて、どこでどう…。
「そう…凄いの…。私だってビックリしたんだから…。良くもまぁ、そんなトントン拍子に…。」
「だって…、どん底だったはずなのに…。」
「彼女…、私には、娘と一緒に死にたい。なんて…、あの頃は、そんな事まで言ってたの…。」
「分かるわ、その気持ち…。」
「でも…、そんな時に、そんな彼女を親身になってくれた人がいたの。それが今の彼女のご主人。」
「えっ…???」
「縁なんて、どこでどう回ってくるか…、分からないもの…。」
「何がどう…???」
「つまりはこう…、今のご主人、実は彼女が初恋の人だったの。しかも、それも幼馴染…。つまりは私の幼馴染でもあるのよ。」
「あら…。」
「でも、自分の初恋の彼女…、つまり私の幼馴染の彼女には別に恋し焦がれた人がいる。それが亡くなったご主人なの。悔しかったけど、諦めるしかなかったのね…。彼…それからは出会いがなくって、独身貴族、ず~っとね。」
「ふ~ん。」
「旦那を亡くして娘と2人。何もかも自暴自棄になっている彼女に、いろいろと優しくしてくれたのよ彼…。励ましたり、一緒に手伝ってくれたり…。」
「そういう人って…いたのね…。」