シングルママ愛子 vol.176. そして…もうひとり…。
照明は消され、スタンドの薄い明るさを背に、
ベッドの上で揺れ動く夜の波…。
静寂の夜の中で、時折ゆっくりと、
そして時折激しく動く波…。
「琴~~そ~んなに走ったら美香、着いて行けないじゃない。」
「2人とも~転ぶなよ~!ハハハ…。」
「はいパパ、コーヒー。」
「おぅ、ありがとう。お腹…大丈夫か…???」
「うん、最近凄いよ~物凄く暴れるからね~この子は~!」
「え~???って~事は今度は男か…???良いネェ!」
「パパが楽しみにしていた…お・と・こ…???」
「うん。やっぱり女の子が2人いるんだから、次はやっぱり…ねぇ…。」
「今度…見て見よ、どっちか…!」
「いいねェ、最近はそういうのも分かるからねぇ。…おい、琴~美香~転ぶって~やれやれ…。」
利信と愛子は栄二が亡くなった後に8か月後には結婚。
既に愛子のお腹には7か月の子が…。
そして無事に出産し名前を美香と名付ける。
新谷家を俺は継ぎたいと言う利信の意志で、
川岸の性を名乗らずに新谷の性を受け継ぎ早4年。
琴美は小学6年生、美香は3歳になっていた。
一度は夫を失ったひとりの女、そして父を失ったひとりの娘…。
今では新しい夫と妹が1人…、そして…もうひとり…。
「ママ…、やったね、男の子だ!」