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シングルママ愛子 vol.170. 「川じぃ、大好き。」
愛子はソファで座りながら、琴美をしっかりと抱き締めた。
そして目頭を熱くして、目を閉じて、目尻から涙が…。
「ありがとう琴…。ママ嬉しい…。ありがとう…。」
琴美も愛子をギュっと抱き締めて…。
「ママ…、ママ…。」
そして会社から帰ってきた川岸に…。
リビングのソファに座っている愛子に、
ただいまを言いながらも琴美が駆け寄ってきて…、
「川じぃ…おかえり。」
そう言いながら川岸に抱き付く琴美。
「…ただいま…琴ちゃ…えっ…???」
「川じぃ…琴…、川じぃ、大好き。」
「えっ…!!!」
琴美のそんな振る舞いを見て、そして愛子を見て、
笑顔のまま頷く愛子の顔…。
「そっか…琴ちゃん…。」
「うん。琴…川じぃ大好きだよ。」
その言葉を聞いた瞬間川岸も、
「そっか~琴ちゃん、そっか~よ~し!川おじちゃんも琴ちゃん、大好きだ―――ッ!ハハ…。ママも大好きだ―――ッ!ハハハ…。」
「うん~ハハハ…。」
そのまま川岸も愛子の隣に座って、琴美を抱きながら、
「愛さん…。」
愛子の肩に右腕を回し、愛子は川岸に静かに凭れる。
「川ちゃん…ありがと。」