表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シングルママ愛子  作者: THMISmama
17/176

シングルママ愛子  vol.17.  「川じぃに着いておいで。」

もちろん、儀式により大勢の弔問客で、

新谷家に出入りが続けられていた。


愛娘の琴美に声を掛けるもまずは未亡人となる愛子に声を掛け、

その後に、愛想を振りまくように琴美に笑顔を振りまく程度なのだった。


青森の子供たちも、琴美以外には子供がいないぶん、

何とか琴美に声を掛けたい気持ちもあったのだが、

見ず知らずの顔が周囲を動き回っているせいもあってか、

中々琴美に近づく事も出来ずにいたのだった。


その中で愛子以外にも琴美を気遣ったのが川岸である。

弔問客との忙しい接待の傍ら、何かしら愛子以外でも、琴美にも気を配っていた。


「琴ちゃん、喉乾かない???」


琴美の顔まで自分の顔を下ろして、

「ちょっとだけ…喉乾いた。」

「じゃ、川じぃに着いておいで。ジュース飲もう。」


「…でも、川じぃ、忙しくないの???」

「大丈夫だって、じゃ、行こう。」


愛子に目配せをして…。


物心ついた頃から、川岸の顔は両親と一緒の顔だった。

父親や母親からは、

「川岸おじちゃんと呼ばないといけないよ。」

と、いつも言われたのだったが、中々擬音語が言えずにいたのだった。

その中で一番発音しやすかったのが「かわ」の字と「じ」だけだったのだ。

最後は語尾を長くすれば、それだけで良かった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ