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シングルママ愛子 vol.160. 梢枝からの花束。
そんな梢枝を見て、愛子はつい、左の手の甲を鼻に当てて、
「ふふ…。」
「…何か…あったんですか…看護婦さん…???」
その後は入院していても、日々リハビリを繰り返して、
車椅子から、そしていよいよ杖を使って歩行できるまで、
愛子の足は順調に経過して行った。
日曜日などは琴美も朝から病室に入りびたりで過ごす事もあった。
そして川岸の励ましもあったからか、愛子の足に対する意識と言うのも、
「早く歩きたい。」と、言う前向きな姿勢がかなり影響していた。
そして、以前川岸が医師から告げられた通り、
入院から50日で退院の運びとなった。
当初は2ヶ月以上は掛かる可能性も…、と考えられていたそうだった。
退院当日、愛子は思いがけないもてなしを受ける。
看護師の梢枝からの花束だった。
「新谷さん、愛子さんからは勇気…もらったわ~貴重な体験もさせてもらったし、私も頑張んなきゃ。」
「コチラこそ、佐々木さんにはもうお世話になりっぱなしで…。」
「元気でね。たまには顔出して。」
「ありがとう…。本当にありがとう、お世話になりました。」
松葉杖で病院を後にする愛子。




