シングルママ愛子

シングルママ愛子 vol.159. 経過良好。

「病院に着いてすぐ看護婦さんに言われて先生のところに行ってきたんです。」

川岸は愛子が入院する際の身元保証人になっていた。

「えっ…、そうだったの…。…で…???」

川岸は笑顔で、

「愛さん…、もしかすると、退院…、早まるかも知れませんよ。」

「えっ…ホント…、良かった～～！」

実際、愛子の場合は手術後からもこれと言う痛みなどは全くなく、

術後の経過も順調であった。

「ママ…足…良くなったの…???」

そんな琴美の声に、

「琴が毎日、良い子にしてくれてたお蔭だね～！ママ…ここから早く出れるかもよ！」

と、琴美の頭を撫でながら…。

そこに看護師の梢枝が巡視のために病室に入ってきた。

「あら…御揃いで…。」

そう言いながら川岸に、

「今日はありがとうございました。大変貴重な体験…させて戴きました。」

「あ…、いえいえ、コチラこそ一緒にいてくれてありがとうございました。助かりましたよ～看護婦さんが一緒なんで、私も安心できましたから…。」

川岸に一言だけお礼を言っただけで、

「また後で窺います。」

と、言って低姿勢で病室を後にした。