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シングルママ愛子 vol.156. 看護師・佐々木梢枝。
病室のベッドに無事に戻った愛子に、
「それじゃ僕はこれから会社戻ります。夕方、また。」
「うん、分かったありがと。気を付けてね。」
病室のドアに向かう川岸に手を振る愛子、
そんな2人を眺めながら、川岸にお辞儀をする看護師の梢枝、
そして愛子を見ながら…。
「良くしてくれている方ですね~凄い方…、ご主人でもないのに…、良くここまで…。」
「…えっ…、ああ、彼…。うん…。もう甘えっぱなし。そうしてはいられないって、分かっているんだけど…。…けど…状況が何故かしら、そういう状況になってしまう。ましてや…主人が亡くなってからというもの、もう頼りっぱなし。」
「…でも、あの方…奥様は…???」
「……。」
「…あっ、ごめんなさい。立ち入った事…。」
「…いいの…。佐々木さん…、彼の奥さん…、つい最近…亡くなったのよ。白血病で…。」
「えっ…!!!」
「亡くなった主人に、彼の奥さんの死亡を報告に主人の墓参りに行く途中に、私…こうなっちゃった…。そういう訳なの…。」
「そうだったんですか~!」