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シングルママ愛子  作者: THMISmama
134/176

シングルママ愛子  vol.134.  愛子の状態。

その声で川岸は我に返る。

その男性を見ながら、顔で、「ありがとう…。」の意思を…。


そして頭を少し振り、左肩や左側に少し違和感を感じながらも、

すぐさま自分の右脚の大腿に置かれてある愛子の腕を見て、

「愛さん、愛さん、愛さん!!!」


愛子の背中に右腕を回して愛子の意識を確かめる。

川岸に体を揺すぶられて、ようやく愛子も意識を取り直す。


男性は2人を見て、

「大丈夫ですか、怪我は…???」


川岸はその男性を見て、

「ありがとうございます。僕はそれほどでも…、けど…。」

運転席側の愛子、上半身は別状ないように見えるが、

右側からの衝突のその激突の拍子に、

ドアの前部分から半分近く内部にのめり込んでいた。


「川ちゃん…足…、右足…。」


見れば、愛子の右足はアクセルペダルとブレーキペダルの間に挟まれて、

手で引っ張って抜けるような状態ではなかった。


そして愛子が続ける。

「川ちゃん…琴…、琴…。」


そう言われてすぐに川岸は蒼褪めて、

後部座席に目をやる。

「琴ちゃ―――んッ!」




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