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シングルママ愛子 vol.127. 甦る言葉…。
「つまり…琴が好きな人って言えば、私とパパ、それとモコや川ちゃんが一番身近にいる存在なのよ。それをモコも知っているから敢えて、そういう風に名前付けたんでしょうね~!それも偶然にもその色だし。そして琴がいっつも呼んでいるモコや川じぃ…そのまんまでしょ。」
「そっか…そういう事か…。ふ~ん。」
川岸の言葉が急に小さくなった。
そして…鼻を啜る音…。
それに反応して、愛子も…少し…また…瞼が熱く…。
そしてそんな「モカくん」を抱いている琴美を見ながら、
思い出すのがあの時の栄二の姉の慶子の言葉。
「ママ、いつもと声、違うね、何だか嬉しそう。なんて言われたんですって。そんな事、子供から言われてみなさい、しかも小学2年の…。母親としても、考えちゃうわよね~!」
そんな姉慶子のあの日のあの言葉を思い出しながら愛子は、
チラリと助手席の川岸の顔見て、
「川ちゃん。」
その声を聞いた川岸も…、
「…ん…???」
と、言う感じで愛子を見る。
そんな川岸の目は少し赤らんでいた。
そして…、
「嬉しいっすね~こんなのって…。」