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シングルママ愛子 vol.11. それぞれの経緯…繋がり。
けれども、そんな川岸の父親の建設に対する考え方に、
新谷健三郎が惚れ込み、健康状態の悪かった川岸の父親の、
面倒を傍で見ていたのである。
そんな川岸の父親もやがて病状悪化でこの世を去り、
身よりもない川岸が身を寄せたのが新谷健三郎である。
その時に、既に新谷健三郎と共に生活をしていてた栄二、
年齢もそれほど違わずに、建設に関しては大いに意気投合し、
それからは栄二の良きパートナーとしての生活を共に過ごすことになったのである。
その後、栄二は取引会社の社長秘書でもあった工藤愛子と出会う。
栄二はまだ結婚には早いと感じてはいたが、
相手の愛子が栄二に一目惚れをして、交際が始まり、2年後に結婚。
ただ、その時の結婚を栄二と愛子の間を取り持ったのが川岸なのである。
その頃には川岸は既に新谷家を出ており自活している。
多少複雑ではあるのだが、実際に栄二の東京での、
親同然である健三郎の家にそのまま結婚後も住む事になる。
ある意味では健三郎がそれを望んでいたのである。