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シングルママ愛子 vol.108. 女性社員 粕谷恵美子。
「みなさん…良くしてくれてますね。」
と、香苗。
「ええ、会社の方々です。みんな良い人ばかりです。」
と、愛子。
そんな愛子に、席を外して、ジュースを注ぎに来た一人の女性社員、粕谷恵美子。
「愛子さん、今回はお疲れ様でした。この前の時からそんなに日も経ってないのに…、大変でしたね~!どうぞ、お口汚し…。」
そんな恵美子に愛子も、
「恵美ちゃんもこの前はありがとう。本当に良くしてくれたわ、大助かりだった。恵美ちゃんに任せて良かった。」
「なになに、私なんてと~んでもない。それに…、いつもの事でしょ。ふふ…。」
栄二の葬儀の際、新谷家の台所の事は粕谷恵美子と野崎友恵、
そして姿麻衣子と言う、会社の女子社員が手伝ってくれたのである。
その中でも粕谷は年長者で、栄二の生前には新谷家の正月の年賀に、
男子社員と一緒に訪れ、常に台所で愛子の手伝いを買っているのだった。
「おばさん、コチラ、会社の粕谷さん、粕谷恵美子さん。」
と、愛子。