107/176
シングルママ愛子 vol.107. 会食の場にて…。
そんな葬儀の後の御斎が午後1時過ぎから始まっていた。
今まで、緊張を保っていた川岸。
基子を自分でしっかりと今まで守ってきたと言う自負もあり、
けれども、結局は、その思いも断念。
様々な事が川岸の頭の中で渦巻き、
そして、この御斎の場でそれが崩れた。
そんな姿を見ながらにして少し離れた場所で愛子は、
「川ちゃん…頑張ったもの。」
参列者に涙ながらにビールを注ぎながら…、
その度に、肩を叩かれ、そして抱き付かれ、
励まされ、勇気付けられ…、共に時間を過ごした。
そんな中で、川岸の両肩を思いっ切り叩き、
次に二の腕をしっかり叩き、
「ほい、まずはグイッと行け!」
そう川岸のグラスにビールを注ぎながら、
「よう頑張ったな。前回と言い今回と言い。カミさん、良い人だったよな。まずは飲め!」
と、立花。
二の腕を痛そうに抱きながら…、
内心…本当に痛いのだが…。そんな痛さに…、
「部長…ありがとうございます。…けど…痛いっすよ~!」
そんな川岸の声に一瞬、周囲には笑いが広がった。
「部長…、半端ないっすからね…。確かに…今のは痛い。」
と、古川。