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シングルママ愛子 vol.104. 基子の葬儀の流れ。
基子の葬儀の流れは全て葬儀社の中で執り行われ、
通夜、そして翌日には出棺、そして火葬が行われ、
最後に祭壇に基子の写真が飾られ、そして周りには華が飾られ、
全体的にしめやかに葬儀は執り行われた。
川岸の会社の同僚やら、上司に重役、
そして基子の親族に、友人知人が日々弔問に駆け付け、
基子に追悼の意を表した。
特に日曜日の葬儀には、
川岸の部署の同僚たちは時間を掛けて川岸を励まし、
一緒に故人に向けて酒を酌み交わしてもくれたのだった。
そして、一番が川岸の影となり、
その場の雰囲気を和らげてくれたのが愛子だった。
以前の新谷栄二の葬儀では、
大凡、自分の伴侶となっていた夫の葬儀であり、
しかも突然の死で身体からの生気は見られなかった面が多かったのだが、
今回の葬儀では、以前のそんな姿とは異なり、
基子を静かに見送り、そして基子に感謝し、
それと同様に、川岸がお世話になっている様々な人々にも、
労いの振る舞いをしていたのだった。