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シングルママ愛子  作者: THMISmama
103/176

シングルママ愛子  vol.103.  愛子の脳裏に…。

そんな風に係の女性の目に映ったのは極々自然だった。

部屋の中の雰囲気が、自然に見ても、

夫婦とその両親そのものだったのだ。


その4人の姿を見て、係の女性の目が少し戸惑いのある動きをしたのだった。

その女性の目をふいに見て取った愛子が、

「あっ、」

と思い、姿勢を正した。

自分の姿勢があたかも、自然に川岸の体と寄り添い合っていたのを、

愛子自身が気付いたのだ。


その瞬間、ふと愛子の脳裏に過ったのが、

栄二との葬儀の後の義理の姉の慶子との会話だったのだ。

「彼…。」


しかし…、そんな愛子の脳裏を過った思いは、

目の前にいる基子の両親の顔を見て、

そして係の女性の顔を見るとすぐさま消えてしまった。


係の女性は、これからの家族のお世話をいろいろと確認し、

愛想良く部屋を出て行った。


けれども、部屋のドアを閉めてすぐに、首を傾げて、廊下を進んで行った。


その後、川岸は葬儀社を出る事はなく、

基子の元に付きっ切りになっていた。


基子の両親が川岸の自宅に赴き、準備をし、

愛子も一旦帰宅し準備をしてまた葬儀社に戻ったのだった。




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