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支持率98%魔王とやさぐれ女勇者のカオスレイディオ  作者: 仙葉康大
第一章 公開処刑
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明日の朝ご飯、何がいいですか?

 そして、約束の土曜の夜が来た。


「勇者さん、お客様です」


 ウソコが連れてきた客はゾンビだった。血みどろのシャツを着ていて、下はダメージジーンズという恰好だった。顔の右目回りには青あざが、左頬には切り傷がある。


「こんにちはー、夜分遅くにすみませーん」


 やけに腰の低いゾンビだ。


「私、ラジオでディレクターをさせてもらってます、ゾンビ族のスターツと言います。よろしくお願いします」

「はあ」


 ディレクターって何だよ。そんな言葉、聞いたことねえよ。


「じゃあさっそく何ですか、魔王様もお待ちですので、ついてきてもらってもいいですか?」


 どうやらこのゾンビ、私のことを呼びに来た魔王の部下らしい。


「どこへでも連れてけよ」


 こっちは早くこの世界からおさらばしたくてたまらないんだ。

 牢屋を出た私が「世話になったな」と言ってウソコの横を通り抜けたそのときだった。


「あの」


 ウソコが口を開いた。


「明日の朝ご飯、何がいいですか?」


 私は力なく笑った。


「これから公開処刑される私にそんなこと聞くなよ」


 何か言いたげに口を半開きにするウソコ。けど、私は背を向け、ゾンビについて行った。もう声はかからなかった。


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