表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
支持率98%魔王とやさぐれ女勇者のカオスレイディオ  作者: 仙葉康大
第二章 生き様フリートーク
12/50

勇者さん、わがままはいけません

「嫌だね」

「そこをなんとか」


 牢屋の外から鉄格子にしがみつき、嘆願してくるゾンビのスターツ。


「勇者さんに来てもらわないと、番組が成り立たないんですよ」

「知らねーよ。そもそも私、魔王とラジオやるなんて言ってねーし」

「困ったなあ。どうしよう」


 右往左往するスターツのそばを、ウソコがぺこりとお辞儀して通り過ぎ、牢屋の鍵を開けた。


「勇者さん、わがままはいけません。お仕事に行ってください」

「嫌だね。私はもう寝る」


 背を向け、昨日届いたばかりの新品の毛布をかぶる。


「働かざる者、食うべからずという言葉を知っていますか? 明日から三食食事ぬきますよ」

「うっ」


 それは非常に困る。もはや私はウソコの手料理なしでは生きられない体になってしまっている。万能食のキポの実で満足していた頃にはもう戻れないのだ。


「ギャラが入れば、欲しいものだって買えますよ」


 確かに金はめちゃくちゃほしい。


「それに、力を認められ、求められているなら、行くべきです」


 とどめの正論に私は立ちあがらざるを得なかった。


「わーったよ。行けばいいんだろ、行けば」

「やった。ありがとうございます。こっちです」


 狂喜乱舞するスターツのあとをついていく私に、ウソコがお辞儀する。


「いってらっしゃいませ」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ