カタコト化する作品の文章
最近は自分でシリーズとしている、愚痴・お勉強の時間カテゴリーの文章が増えまくり……。
これは偏に、書くネタが無くなっているから……ネタ切れだからだと、思って頂ければなぁと。
ただ、けっこう本音でもあるんですよね、このシリーズ。
3/18 指摘を受けて、一部修正しました。
以前書いた て・に・お・は なんて、メじゃなかった(´;ω;`)
これを言っておかねばならん、悲しい事態だったなんて知らなかったよ……。
はい。
そんな出だしで始めさせて頂きましたが、正直な話としてはビックリだよ。
なにがビックリかって?
タイトルだよ。
カタコト化だよ。
なろうでランキング上位の作品も、ピックアップで面白そうだと摘まんでみた作品も。
検索した好きなジャンルから選びとって読んでみた作品も。
(注:あくまでも自分が読ませて頂いた作品であり、全部が全部ではありません)
なんかカタコト化が進んでいて、ビビってます。
具体的に言えば「そこを削除すると日本語として不備だらけになるんじゃ~」な事態が進行しております。
これは深刻な事態です。
かなりまずいです。
えらいこっちゃで~です。
他の方がおっしゃっていた、5次創作~とかの意味がとてもよく伝わりますわ。
どっかで聞いた事のある言葉から、なんとなーく格好良さそうな言葉を意味も適当なまま選んで、なんとなーく並べてみた文章。
誤字を誤字だと知らぬまま使っちゃう暴挙。
海外からの留学生が変な言葉を教えられて、自信満々にその言葉を使っちゃうアレ。 それの留学生側。
敢えて誤用しているのに、それにも気付かず「こんな言葉が有るんだー」と覚えちゃった惨事。
言い換えればアレですよ。
機械でコピーした物を更にコピー機でコピーをすると、劣化するじゃないですか。
孫コピーとか言って。
それをもっと繰り返して、玄孫コピーすら越えて。
もう所々がドットになっていて文字が潰れて読めなくなった状態。
具体的に何がまずいか?
日本語の文章として褒められないんだよ。
そんな状態で文章・小説・文芸で飯を食っていくと言われたなら、へそが茶を沸かす位には説得力に欠けます。
冗談だと思われます。
だってさ、そいつらの文章の多くは下記参照になりそうだよ?
私 あなた 遊びたい。
上記まで行きそうなんですよ?
冗談抜きに、あと何年かしたらこんなのが主流になりそうな勢いですよ?
え? 日本語を馬鹿にされた気分だ?
だったら改めよう。
言い替えるとか、そんな意味ではなく。
意識とか心構えとか、そっちの話。
それを改めるには、勉強だ。
勉強方法は本を読む以外にも色々あるけど、その方法の紹介はこの話題じゃないからパス。
いや。 勉強なんてアレか。
ならば実感していただきましょう。
“私 あなた 遊びたい”
これに二ヶ所の空白がありますよね?
ここへ平仮名をペコッと当てはめてみましょう。
私はあなたと遊びたい
これが普通ですね。
私ちゃんが、あなたと遊びたいと、気持ちを語っています。
では次。
私があなたで遊びたい
いきなりクズ案件です。
私ちゃんからして、あなたをオモチャにして遊びたい宣言です。
次。
私とあなたで遊びたい
あなたで遊びたいと言ったのに、これだと意味が変わりましたね?
率直に言えば、私ちゃんがあなたとふたりっきりで遊びたい。
そう読める文章になりました。
さあ、私ちゃんは何を思っているのでしょうか?
私ちゃんが純粋な人柄ならばニヤニヤが止まらない展開かもしれませんが、逆に私ちゃんがクズなら……想像したくもないですね。
次。
私もあなたと遊びたい
平和ですね~( ´∀`)
私ちゃんが勇気をだして、あなた達と遊びたいって声をかけていますね。
あるいは、あなた争奪戦に名乗りを挙げたかな?
…………ビッ○がヤリ○ンの匂いを嗅ぎとって、私も~って参加を表明した展開では、決して無いと信じたい。
次。
私もあなたも遊びたい
時代背景や人柄でかわるだろうけど、このふたりは窮屈そうですね。
お勉強やお稽古ばかりで、だれかと遊んだ事すらない人生。
同類だと感じた私とあなたが出会い、始まるラブコメ。
お互い勉強や稽古ばかりの人生から逃げる共犯者って関係から始まって、友達になって、恋愛感情まで持つように。
でもふたりは会った事も無い相手ではあるけど、婚約者が。
だからいつまでも関係は、もじもじウジウジ。
何かのきっかけで恋人同士となり、婚約者なんか知らんと逃避行。
逃避行は失敗。 家へ連れ戻されて、婚約者との初顔合わせの日。
そこに居たのは、連れ戻されてから会っていなかった恋人が。
婚約者は恋人でした! ハッピーエンド!
とか言うベッタベタな展開が始まる……かもしれない。
それか私ちゃんがあなたも暇だと一方的に決めつける、頭が少しアレな子なのかもしれません。
…………もしかしたらビッ○とヤリ○ンが出会って(以下略)
次。
私をあなたに遊びたい
訳が分からん。
これは投稿作品で時々見かける、文字を不適切にくっ付けた失敗例。
こうなりたくないモンですが、やる時にはやっちゃう凡ミス例でもある。
やらかさないよう、文章を読み直して気付くのが基本の回避方法。
なお、文章として成り立っていない異常な文章。 それを逆に利用して、異常者らしいキャラを演出するには、むしろ好都合。
ちょっとおかしい言葉を使うけど、優しいキャラ。 なんて登場させておいて、実はヤベー奴でした! はお約束。
次。
私であなたが遊びたい
今度は私ちゃんがあなたにオモチャとして遊ばれるパターン。
………………クズではあるけど、両者ともそれで納得しているなら、口を挟めないんですよね。
ただ、私があなたで遊びたいの場合もそうですけど、逆パターンもあるんですよね。
あくまでも、遊びたい。
実際は逆に遊ばれてしまう展開だったりするのが、ギャグ物ではお約束。
その辺はまあ、匙加減の問題ですね。
次。
私もあなたで遊びたい
いじめダメ、絶対。
本人は遊びのつもりでも、遊ばれている側からすれば、それは立派ないじめです。
楽しいのは遊んでいる側だけで、遊ばれている側は本当につらいのです。 嫌なのです。
みんなで楽しく遊べるのが理想です。
それで盛り上げる為にと、物静かな人をいじるのは、間違いです。
物静かな人は、静かに楽しんでいたりします。
楽しみ方は人それぞれ。
ノリが悪いとか言う理由でいじるな。
そしてその“いじり”はいつかやり過ぎて“いじめ”へ発展するんだよ。
楽しいのはいじる側だけ。
いじられる側で楽しめるのは、芸人気質を持つ奴だけだと、心得ろ。
お互い納得の上で、いじりいじられる関係なら良いけど、それを強要するな。 押し付けるな。
…………もしかしたら、○ッチがあなたのナニかに目をつけ(以下略)
いやいや、その辺の考えはポイっとどこかへ捨てましょう。
最後はアレですが、どうでしょう?
たかが、平仮名2文字。
されど、平仮名2文字。
意味が思いっきり変わるでしょう?
これだけで、人の心を揺さぶれるでしょう?
これが日本語がもつ、表現の幅の一端。
今の見かける文章力は“私あなたと遊びたい”とか言うのばっかりかな? 幅が半減しちゃって、不自由度が……。
小説は、ラノベは、文芸のひとつだよ?
芸の幅をせばめて、良いことなんかそう無いですよ。
おし、じゃあもっと簡略化して、一文字だけの変化もやってみようか。
田中怒る
田中さんが怒っているとおもいますか?
いいえ。
田中を怒る
でもあります。
田中と怒る
なんて展開もある。
田中も怒る
なんてなったりも有り得る。
どうですか?
田中と怒るの間に入る一文字だけで、状況が色々変わるでしょ?
その大切さを忘れている、作者の多さですよ。
ふざけんなですよ。
そこを省略されたら、状況判断の材料が減ってしまって、分からなくなる場合も有るんですよ。
誤字脱字誤変換上等のSNS系の書き方か? SNS系の書き方なのか?
それともネット掲示板由来か?
生配信のコメント由来か?
どうにしろ本当にやめてよ。 こんな事程度にも気を使えない作品を書くなんて。
こんな平仮名をちょちょっと変えるだけでも、言葉の細か~い所から読み取って、色々妄想できるんです。
なのに、甘く見やがって。
重要な部分を蔑ろにしやがって。
言葉の端々で、こんなちょっとの違いで人の心を表す。
心の内側が、漏れてしまう。
これだけ繊細な小技ができる日本語。
心の湿っぽい部分を、深く扱える日本語。
表現ひとつで、見せる顔がガラッと変わる日本語。
なのに、それを上手く使わない作者様方。
え、使えないの? 嘘でしょ?
学校であまり良い成績じゃなかった自分でも、この位は読んでいて理解できるのに?
でも理解するのと、使うのとは全然ちがうのは知ってる。
自分だって使いこなせているとは、思ってないから。
けど使ってみてよ。 作品としての質が本当に違うから。
ほら、クオリティで言えばアレだ。
異世界名物の、お貴族さま間の嫌味な応酬とか、遠回しな皮肉の応酬とか。
それを表現するなら、使えて損はまず無いよ。
言葉のちょっとした違いで、登場人物も読者も騙せたりできると、実感できるかも。
逆にそのちょっとした違いで読者を誤解させてしまえば、登場人物や作者様の評価が(誤解させた程度によるけれど)変わるでしょう。
他にもこんなのはいかが?
護らなきゃ。
護りたい。
護ってみせる。
これらも意味が変わってきますね?
押し付けられて義務みたいに思っているか。
自分から、そう求めたか。
自分で、そうと決めたか。
押し付けられて か 押し付けられた でも、微妙かつ大きく意味が変わってきたりするのは、さすが日本語。
押し付けられて。
押し付けられた義務みたいに。
“て”か“た”を選んで区切るかによって、またもや変わるんですよね。
義務として実際に押し付けられているのか、そんな義務は無いけどそれ位に思っているか。
こんな表現の違いも意識できず、ただただ。
護る
で済まされたりね?
どんな前提、下地があっても、どんな気持ちを抱えていても。
まるで、オレ オマエ マモル。
片言か!Σヽ(゜∀゜;)
いや、そう言った気持ちに鈍いキャラなら、それは相応しい描写になりますね。
でも全員が全員こんなだと……なんて考えたくないです。
他にも
動かない のと、
動けない だって、ぜんぜん違うでしょう?
動こうと思えば動けるのと、動こうと思ってもダメな状態と。
小説って楽しみ方は人それぞれだけど、主人公と自分を重ねて読んだりする訳ですよ。
その時に心の表現が薄いと、けっこう醒めちゃうのよ。
でもその表現が濃すぎると、解釈の不一致で白けられてしまうのには、注意よ?
のめり込むには、主人公を始めとした登場人物に共感できる表現ってのが、効果的なんですよ。
少し足りない程度なら、勝手に読者が補完します。 してくれます。
でもその回数が増えると?
補完と言えばアレだね。
なぜその文字を消したのか。
文字データが欠落でも起こしたのか? それかデリート(一文字消す)ボタンを本人も気付かずに押したのかな?
って言いたくなる、理解不能な脱字。
何あれ?
もしかして自分は気付かずに、微妙に違う日本語となっている平行世界にでも跳んだのかしら?
そう錯覚したくなる、謎の脱字。
規則性が掴めず。
はっきりとした確信もなく何となくで言うなら、直前又は直後の音と近い文字である場合、文字を圧縮して省略する。
またはキーボードでのタイピングで、打った気になって(例:バナナな と打つはずが バナナ のみ)打ち忘れているとかかな?
いや、本当に何あれ?
日本語の文章として大切な、重要な骨子・骨組みの一部を消して、とっても歪な見苦しい日本語化してるアレ。
言葉が伝わればそれでいい。
それはそうだ。
でもね?
言葉が“ちゃんと”伝わらなきゃ、意味が無いのよ。
表面だけじゃなく理解してもらえる、あっさりすんなり深く理解してもらえるような言葉の方が良くないか?
身内だけに、じゃなくて。
その為に言葉を尽くそうとするのは、誤解が出ないよう努力するのは、美徳だと思わないか?
ただ言葉を尽くし過ぎればクドいだけになるから、丁度いい匙加減を探そうと悩みに悩んで、余計に日本語が難しくなるんだけどさ。
とまあ表現が足りなくて、カタコト化していると感じる訳ですね。
省略したら分からなくなる部分。
省略部分を補完することばかりに気がいって、作品を楽しめなくなってしまう悲劇。
こう言わなくても、分かるよね?(無言の圧) そう受け取れる、大量の言葉足らずな文章。
娯楽小説を読んで楽しもうと思っていたら、逆に疲れてしまう悲しさ。
まあそんなのは、今は良いか。 今ここで言いたいのとは、ちょっと外れているし。
細かい違いで、日本語は意味が大きく変わる。
これが難しくて嫌かもしれない。
避けたくて省略しているのかもしれない。
それらを全く知らないで、他の人がそうしてるから~なんてお軽い人もいるかもしれない。
でも、踏み込んでみ?
使ってみて、日本語の奥深さを感じてみ?
こんな少しの違いで、大きく変わる楽しさを実感してみ?
日本語を大切にして、しっかり向き合って、しっかり見てあげてみ?
カタコトみたいな日本語をつかっているなんて勿体ない。
知れば知るほど、楽しめるようになればなるほど、日本語は泥沼だぜ?
ズブズブに嵌まってみ?
楽しいぜ~?
面白いよ~?
さて、いかがでしたでしょうか?
日本語ってばこんな細か~~~い所で、意味が変わるんです。
なのに、プロ小説家になりたーい! って奴が、流行り言葉や喋り言葉だけで日本語を使おうとする。
小説を書こうとする。
そんなの寂しいじゃん。
小説家を目指しているなら、国語、日本語は使いこなそう。
せめて使いこなそうとする努力をしてよ。
その努力が見られないプロ志望作者の作品は、そりゃあ……ねえ?
もっと見たい、もっと読みたい。 本気の作品を。
プロ作家志望で、ちゃんと文芸をしている作品を。
ちゃんと文芸をしていなくても、読み手を考えて読みやすく、なおかつ面白くなるよう努力している作品を。
書籍化を意識して、本1冊分の文字量を意識して、きちんと書き上げる(ことを目指す)作品を。
漢字は機械変換だけで雑にして、文字の意味も考えず不適切な言葉を使っていない、丁寧な作品を。
打ち明けて単純な話をすれば、作者の望みはこの際別として、楽しい作品を。
…………自分で書いて、自給自足してろ?
それだって限界があるんですよ。 数しかり、発想力しかり、筆力しかり。
才能しかり。