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 昼間でも光の射さない薄暗い部屋。白い埃が舞うぼんやりとした世界の中で、少女と呼ぶには大人で、女性(レディ)と呼ぶには幼いような一人の女が立っていた。


「ここ……よね。」


 何かを決意するかのように女は一度深呼吸をして、一歩を踏み出す。

 白い靄の奥、白い服にぼんやりと赤い襟が浮かび、やがてその全貌を現した。


「……あなたが、有名な探偵さん?」


 中華系の整った顔立ちに常に笑っているような細い目をしたその男は、口元に笑みを浮かべて女に微笑んだ。


「君がなんて僕のことを呼ぼうと構わないよ。そうだね、ある人は探偵と呼び、ある人は占い師と呼び、またある人には詐欺師とも呼ばれたかな。」


 にこやかに語るその男に、対する女は硬い表情のまま、男の前に歩み寄った。


「あなたが何者でもいいわ。私の悩みを解決してくれるなら、誰でも。」


 男の細い目が少しだけ開く。鋭い眼差しに女の目が一瞬泳ぐ、が、やがて覚悟を決め、男の瞳を見返した。男はその様子に満足そうに笑うと、ゆるく編んだ短い三つ編みを背中に払い、椅子を勧めた。


「私の親友を探してほしいの。」


 女は自らを東雲里沙と名乗った。



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