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おしかけにょーぼは精霊さん  作者: ヤヅカつよし
32/35

第三十印~黒い風(N)

2019/08/15 やり直し版に差し替えました。

「…と、いうわけだ。今回の街道へのモンスターの襲撃理由の調査、もしくは背後からの奇襲は完全に失敗だ」


ムリエの村にある分校の一室。

その部屋の中央に鎮座している絶えず水が湧き出す甕の口に水晶珠がすっぽりとはめ込まれたようなオブジェこそが通信用の魔導具設備だ。

水晶珠の中には騎士アーキッシュが眉を寄せて沈痛な面持ちで映っていた。

一方、同じようにマリアネッドが眉を寄せている表情がエゾットの村の魔導具に映っているはずだった。


《承知しました、導師マリアネッド様。それから、灰色の魔石に関しては魔術研究部門の連中を呼び出してすぐに調査を始めさせます。それから『黒い風』とやらに注意を促し、夜間は見回りは森内をひかえて街道側を中心に数を増やすようにしましょう》


渋面を作りながら、すぐに思いつく限りの対応策を口にする騎士アーキッシュ。

マリアネッド信者としてはダメダメな姿を見せる彼だが、それなりの立場に身を置いているのはしっかりとした能力があるからだ。


「原因がわからん以上、それぐらいが妥当だろう。くれぐれも用心した方がいい」


マリアネッドもその返事に頷きを返しつつも言葉を返す。

結局、灰色の魔石に関してもこの村で得られた情報も僅かなものであった。

ムリエの村で回収されていた魔石の中に灰色の物はあるにはあったが数はほとんどなかった。

それというのも最初に回収されたそれを分校の主が見た時に魔力がほぼ宿っていない事に気づき、価値がないものとして扱ってしまったからである。

近頃では村周辺で魔物が現れることが極端に減っていることも手伝ってしまった部分もある。

それを報告しなかった事をマリアネッドは軽く注意するに留め、それ以上追及することは避けたのであった。


《それから…ルィリエン=ミン=アレイエル!》


「はい!」


アーキッシュに名を呼ばれ、ブーツの踵を揃えて背筋をピンと立てて直立するルィリエンの姿は凛々しい女騎士とも言える所作だ…が、服装のせいで訓練されたメイドにしか見えなかった。

いや、そんな茶化している空気ではない。


《貴様はよくこのことを伝えてくれたな。感謝する》


「…しかし…テッテやジュルテ、カーティ、カツン、アグルシは…っ!」


ルィリエンはパーティメンバーの名を一通り口にすると声を詰まらせると唇を硬く引き結んで俯いて肩を震わせる。

マリアネッドは前髪を弄りながら口をへの字に曲げ、ヘリアラはルィリエンの肩を抱いて支えげあげた。

隅で話を聞いていた神官の職を持つこの分校の主は、痛ましげな表情を浮かべて印を結んで自らの信じる神に彼らの冥福を静かに祈った。


《今回の件に関しては事態を甘く見ていた我々アカデミー側での責任でもある思っている。私個人としても、本当にすまないと思っている》


水晶珠の向こうでは騎士アーキッシュが立ち上がり、深々と頭を下げた。


《現在のアカデミーにおいて優秀なパーティーであり続けた君達だ、思う所はあるだろう。『彼らの事は残念だった』では終わらせない。この大きな損失はしっかりと上に報告し改めて事にあたる事を約束しよう》


「…はい」


言いたいことは色々とあったが全てを飲み込み、ルィリエンは大きく頷いた。


「…お願い…します。…どうかボクの…友人達の死が…」


《わかっている。決して無駄になる事はない》


アーキッシュはそう力強く頷いて約束したものの、実際の所は頭が痛い話であることをマリアネッドは感づいていた。


騎士の家の出身のルィリエンを始めとして、彼女たちのパーティーは(長男筋ではないが)貴族やそれなりの家の出自を持つ者達で構成されていた。

そう聞くと本当に優秀だったのか怪しく思えてくるかもしれないが、書類の上ではそれなりの実績を積んでいたのは間違いがなく、エリート扱いしてもいいだろう。


…何が言いたいかというと…。


死んでしまった者達の家への説明をどうするのか、である。

入学時にそういった生死に関わる事象があることを冒険者を目指す以上、当然説明してある。

だが、だからと言ってそれで割り切れるわけでもないのが残された家族達だ。

マリアネッドもアカデミーの講師として在籍して長いので、その対応の面倒くささもよーく知っていた。


今回の件に関しては不慮の事態が起こってしまったとは言え、裏の事情もある。

ルィリエンのパーティーメンバーの一人、貴族の家の出のアグルシの家族が彼に実績を積ませようと手を回したのが今回の指名依頼のきっかけだ。

勿論それがはっきりとわからないように色々と細工はしてあるようだが、だからこそタチが悪い。

おそらく残された彼らの家族の矛先は今回の任務につかせた冒険者ギルド、アカデミー、そして生き残ったルィリエンに容赦なく向くだろう。


それを踏まえた上で、マリアネッドは口を再び口を開いた。


「とりあえずだ。一次的な対応はアカデミーとギルドに任せるとしよう。騎士アーキッシュ、お前は自分の弟子を守ってやれ」


《それは当然ですとも、導師マリアネッド!お任せください!》


呼びかけられたマリアネッド信奉者の騎士アーキッシュは自身の胸を力強く叩く。


《ルィリエン=ミン=アレイエル、貴様は何の心配もしなくても良い。アカデミーの生徒である以上、我々がしっかりと守ると約束しよう!!》


「…は、はいっ!!」


堂々と言い放つ彼の姿に、在りし日のガキ大将の姿を思い出してマリアネッドとヘリアラは顔を合わせて苦笑した。


《そして導師マリアネッド、よろしいでしょうか》


「言ってみろ」


神妙な顔つきの騎士アーキッシュの様子に、マリアネッドは居住まいを正して水晶珠に映るアーキッシュに顔を向ける。


《貴女方に独自の案件があるのは承知の上でお願い致します。その上で、我が弟子であるルィリエン=ミン=アレイエルを助けてやってくれませんか?》


あくまでもルィリエンを同行させるのはムリエの村までの話。

そこから先はまた別の話である。

正直の所、ルィリエンはマリアネッドと直接縁のある人物ではないのでここで断ったとしても別におかしな話ではない。

が。

ルィリエンは自分の弟子と関係がある人物(もう一人の同行者とは不仲ではあるようだが、知ったこっちゃない)ではあるし、ここでアカデミーの生徒を放り出しておしまいとするにはいささか薄情な話ではないか。

マリアネッドはちらりとヘリアラに目を向けると、彼女は小さく頷いた。


「よかろう。今回の件はアカデミーの講師陣に身を置く者として預かろうじゃないか」


《導師…!ありがとうございます!》


腕を組み不敵笑みを浮かべるマリアネッドに騎士アーキッシュは感極まった表情を浮かべた後、立ち上がって力の限り頭を下げた。

あまりに勢いよく頭を下げたせいで『ガツンッ!!』と物凄い音を立てて水晶珠が揺れていた。


「亡くなったメンバーの遺髪、遺品の回収と死体の埋葬は行っておこう。ルィリエンもそれで良いだろうか?」


《よろしくお願いします!》


「…ありがとう…ございます…マリアネッド先生…」


マリアネッドの返事に満面の笑みを浮かべるアーキッシュと、ほっと胸をなでおろすルィリエン。


「やれやれ…私の講義の休講日程の延長と補填の申請をしなくてはな」


ガリガリと後頭部を掻きつつ口をへの字に曲げていると、ヘリアラがそっと近づいて耳打ちした。


「マリアネッド様、屋敷のメイド研修生達にも」


「おお、そうだった。今、私の屋敷を管理させているメイドクラスの連中にも期限の延長を伝えてくれ。当然報酬も追加するとな。頼めるか?」


《こちらからお願いする上での事ですからお任せください!すぐにアカデミーの方に連絡を回します。その報酬の方もアカデミーから補填できるように掛け合ってみましょう》


「なに、そこまでしなくてもいい。とりあえず話はそんな所か…。私らは明日には森に入るつもりだ、何かあればそれまでに連絡するがよいだろう」


《承知しました。どうかお気をつけて!》


「うむ。お前達もな」


マリアネッドが通信を切る合図として片手を挙げ、そこで水晶珠に流していた魔力の流れを断ち切る。

そのタイミングに合わせて、分校の主の人間であるエイキスはマリアネッド達に対して果実水の入った木杯を渡してまわった。


「すまんなエイキス、ありがたい。ついて早々、騒がしくてすまなかったな」


ありがたく頂戴して唇を湿らせる。

柑橘系のさわやかな甘みを感じる喉越しが実に心地よかった。


「いえいえ、こういう時こそ役立ててもらわなければ」


エイキスは柔らかい笑顔を浮かべて、ルィリエンに向き直る。


「話は聞きかせていただきましたが、先日ご一緒にいらっしゃった方々は残念でしたな。特にテッテ殿はとても敬虔な信徒でありましたし、将来有望であると遠くの地ではありますが聞き及んでおりました。我々聖ロウレント教会としても非常に大きな損失であることには違いありませんな」


彼はもう一度胸元で印を結んで目を伏せ『かの者に安らかな眠りを』と小さく文言を呟いた。


「…ありがとう…エイキス様。…みんなが安らに眠るためにも…ボクはアルン君や…導師達と一緒に…もう一度森の中へ入るつもり…」


「左様ですか。出発は明日、でしたか?ならば聖水をいくつかご用意いたしましょう」


「…うん…。…それから預けていた馬車の鍵を…お願い。予備の防具が…あるから…」


「そういうことでしたら、少々お待ちを…」


エイキスは頭を下げると、ゆっくりとした足取りで部屋から出て行った。


「ふむ、予備があるのならば問題はないか。その辺はどうしようか考えていた所だったが、何か足りないものがあればヘリアラに言うがよかろうさ。金銭でも装備でもアイテムでも、少しは都合をつけよう」


そう言ったマリアネッドは木杯から果実水を飲み干しながらヘリアラに視線を向ける。

彼女が頷くのを見て、木杯を傍らのテーブルに置くと椅子からぴょんと飛び降りてローブの胸元を整えた。


「騎士アーキッシュの要請にも頷いた以上、正式に貴様の手伝いもしてやろうじゃないか」


「…本当にありがとう…マリアネッド先生!」


感激の表情を浮かべて静かに両手を握ってくるルィリエンに『気にするな』とマリアネッドは肩を竦める。


「その代わり、だ。我々の調査も手伝ってもらうからな」


「…うん、勿論。…ボクが力になれるのなら…存分に使って欲しい」


ふんすと鼻息荒く、自分の胸元をトンと叩く。

とは言え、その胸の内ではアルンと共に行動できる喜びがあるのだが状況が状況なだけに流石にそれは口にも態度にも出すわけにはいかない。

そもそもあまり表情の変化を出さない所が、変なところで役に立っていた。


それはともかく、ルィリエンの実力をある程度は聞き及んでいるマリアネッドとしては、十分ブロッカーとして頼りにしても良いという認識はある。

…彼女がいつも持つ白銀の盾があればだが。


「…いつものボクの盾さえ…回収できれば…更にお役に立てる…はず…」


彼女自身それがわかっているのか肩を落としていた。

その肩をポンと叩いて慰めつつ、ヘリアラが口を開く。


「それでも前衛としての動きがわかっているのであれば十分でしょう。何か必要な物があれば遠慮なく仰ってくださいね」


「…ヘリアラ様、いいの?」


「ええ。私は愛用のバスタードソード(大樹薙ぎ)でいかようにもできますので」


「…あの…アレ…」


頭に浮かぶのは馬車に積まれていたあの長い鉄の塊のような剣と言えるか怪しい物体である。

一体誰が使うのか見かけた時に首を傾げたものだが、よもや目の前の華奢なエルフのメイドだとは思わなかった。

アルンやマリアネッドは、ヘリアラがこのバスタードソード(大樹薙ぎ)を振り回す姿を当たり前のように思っているが、やはりこの世界に生きる者にとってのエルフのイメージは華奢で穏やかなで物静かな弓の名手な森の住人なのである。

近接武器を持つにしてもレイピアなどの細い剣であり、あんな長い鉄の塊を振り回すだなんて想像もできない。できるはずがない。


「今お貸ししているメイド服も戦闘に十分に耐えられる作りになっていますし、予備の防具…おそらく胸当てや手甲だと思いますが、それを装着するだけでも随分運用できると思います」


「…そ、そうなの?」


着用しているメイド服を眺め、スカートの端をつまんで首をかしげるルィリエン。


「メイドというものは、身体を動かす仕事ですから」


誇らしげに平らな胸を…


「「あ”?」」


…失敬。

誇らしげに自信に満ち溢れた表情で胸を張って見せるヘリアラの姿に『なるほど』と思わず唸り、その両手をルィリエンは力強く握った。


「…そうだったんだね…それを知らずにあの時…感情に振り回されて恥ずかしいって思ったボクが…今は恥ずかしいよ…。…言われてみたら…これまで着苦しい事もなかった…!」


「そうでしょうとも!わかっていただけましたか、メイド服の素晴らしさを!メイドという存在の誇らしさを!」


「…うん。今ならはっきりとわかる…ボクが間違っていたんだって…!」


「何をやっとるんだ、お前達は」


「いたっ!?」

「あうっ?!」


ヒシっ!!と暑苦しく抱合う二人の頭にデコピン程度の小さな魔力の塊をぶつけてマリアネッドは嘆息した。


「随分と賑やかですな。こう言っては難ですが、貴女が以前のパーティーと一緒にいる時とはまるで雰囲気が違います」


ニコニコと笑みを浮かべたまま部屋に戻ってきたエイキスは馬車の鍵をルィリエンに手渡す。

それを受け取りつつ、彼女は困惑した表情で自分の頬に手を当てた。

小首を傾げるとプラチナブロンドの髪がふわりと揺れた。


「ボクの、雰囲気…?…ううん…でも…仲間が死んだというのに不謹慎だった…。…浮かれているつもりはないのだけれど…」


「いえいえ、そういうわけではなくてですな。数日前にお会いした時の貴女の表情に比べると険が取れているというか、決して悪い意味ではありませんよ」


ルィリエンはこの村に訪れていた際にエイキスと言葉を交わす機会があった。

宿屋の外で一人で気持ちを落ち着かせたかった時だ。

交わした言葉は別に記憶に残るような事でもなかったが、神官という事もあり随分と気持ちを落ち着けられた気がしたものだった。


「…でも…ボクとみんなは昨日今日組んだばかりじゃない…もっと気心の知れた──」


「そうじゃなかったんだろうよ」


そうぶっきらぼうに言い放ったマリアネッドがローブの首元のポジションが悪いのか身じろぎすると、ヘリアラが何も言わずにその部分を直してあげていた。

困惑した表情を浮かべたまま、ルィリエンはアリアネッドに視線を向ける。


「なぁに、よくある話だな。気心知れたつもりで、長年惰性で連れ添ってただけだという話もな」


そう言われて、ルィリエンはつい俯いて考え始めてしまっていた。


「悩むって事は思い当たる節があるんだろう。何、今更それを咎める人間もいないんだ。よく考えてみる事だな」


考え込む姿を見てマリアネッドは苦笑しながら肩を竦めた。


「そういえば、その子のパーティーを全滅させた『黒い風』…でしたか?」


「何か情報があるのか?」


「関係があるのかはわかりませんが数か月前にマリアネッド様よりご連絡をいただいたぐらいですかね…その時にあったある事を思い出しましてな」


ふむ、とマリアネッドは小首を傾げて続きを促し、一応の仇であるかもしれない『黒い風』の情報にルィリエンも思考状態から抜け出してじっと聞く態勢へと変わった。


「マリアネッド様とヘリアラ様は覚えていらっしゃいますか?ダウダーラ家の事を」


「ダウダーラ…ダウダーラ…誰だっけそれ?」


眉間に指をあてて思い出そうとするもマリアネッドはまったく思い出せなかったようだが、ヘリアラは『ああっ!』と軽く手を叩く。


少し前(・・・)の雪解け水の洪水の際に、身体の弱い方(アルンさん達)やお年寄達を捨てて村から逃げるべきだと主張していた方の代表ですね」


「ほっほっほっ!七、八年前の話を少し前の話とするとは、流石長命種族のエルフですな」


エイキスは愉快そうにひとしきり笑った後、居住まいを正す。


「…兎も角、ダウダーラ家はそういった主張する方々の代表だった家です」


「あー…いたな、そんなやつ。それで、そいつらがどうかしたのか?」


思い出したのか、嫌そうな表情を一瞬浮かべるが本題はそこではないと気を取り直してエイキスに向き直る。


「何かに襲われて一家全滅となりました。同じような主張をした者達も数名、襲われて命を落としておりますな」


「!?」


まったく関係のないルィリエンですら驚いて絶句するような話であったが、言われたマリアネッドとヘリアラは顔を合わせるだけに留まった。

そして腕を組んですぐに思いついたことを質問にして返す。


「『何者か』ではなく『何か』というのがな。それがまさか、件の『黒い風』とでもいうのか?」


エイキスはゆっくりと頷く。


「とは言いましても、実際それを見たのはセムハニールさん…アルン君の母親なのですな。ダウダーラ家の屋敷から突如として聞こえた悲鳴に一番に駆け付けたのが彼女なのです」


『黒い風』と相対したルィリエンだけでなく、セムハニールの事を知っているマリアネッドとヘリアラも驚きを隠せなかったようだ。


「それで、セムハニールは何を見たと?」


エイキスは痛ましい記憶を思い出した事に眉間を揉んで、ため息を吐きながら首を横に振った。


「屋敷の中は凄惨な光景であったと聞いております。誰一人としてダウダーラ家の者は息をしていなかったと」


「では、セムハニール様は?私が知る限りでは彼女は獣人の中でも相当な手練れですし、よっぽどな相手ではなければ遅れをとることはまずないでしょうが…」


「対峙したのは一瞬だったと聞いております、ヘリアラ様。窓から逃げていくそれを捕まえようとして腕を伸ばしたまではよかったのですが、その『黒い風』のようなものに片腕を持っていかれましてな。命に別状はなかったのですが…」


「あやつらしい判断だとは思うが、何という無茶をするんだ」


「命は大丈夫とは言え、片腕を…」


眉を八の字に曲げてマリアネッドは呆れたような安堵するような複雑な表情を見せ、ヘリアラも考え込む様に下顎に指を添えた。


「そういう事であれば後で嫌でもアルンが話を聞くことになるだろう。そこはそれとして…」


再度腕を組みつつ、前髪を弄って思案に入る。


「しかし、ダウダーラ家を襲った理由か。ルィリエンのパーティーを襲った『黒い風』が同じものかどうか…そこも見極めなければな」


つぶやく様に言ったマリアネッドの言葉に、ヘリアラとルィリエンの二人も頷いたのであった。

いつものように感想など諸々お待ちしております。

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