08.フラれた代償
昼休みになり、普段は友人とクラス内で食事をするのだが、黒川さんもクラス内で女子グループと昼食を取る訳で、別に話す機会はないけど、フラれた身としては他の場所で食事をした方がいいのだろうか? だけど変に避けすぎるのも良くない気がする。悩みながらクラスを見渡してみると黒川さんはすでに居なくなっていた。安堵する事ができたが、朝に感じた違和感がより強くなっていった。
黒川さんが教室に戻って来たのは、午後の授業を知らせるチャイムと同時だった。席に付くと同時に僕を一瞬だけ見てきた。朝は自意識過剰だと思ったが間違いない。表情も曇っていたしこんな行動を取る理由は一つしか思いつかなかった。
避けられている。
泣きたくなった。距離を置かれる事は覚悟していたが、ここまで露骨に避けられるとは思わなかった。そんなに僕の告白は駄目でしたか黒川さん! 気を抜いたら泣き出す可能性があったので全力で授業を受ける事にした。
黒板に書かれた事はすぐにノートに写し、要点らしき単語・ポイントは心の中で復唱してノートの横に置いたメモ用紙にキーワードを書く。これを繰り返す事で忘れる事が少なくなる。授業の進行が遅くなった場面では今講義している内容の前後を予習復習する事にした。
とにかく一心不乱に授業を受け続けて、休み時間になっても勉強の手が止まる事はなかった。