表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
告白の情感進路(ルート)  作者: 奈瀬朋樹
7/17

06.後輩へのフォロー

「という出来事で人生観が変わって、彼女が欲しいと思った訳です。めでたしめでたし」

「私の人生観まで変わったよ! 将来必ず結婚しようって心から思ったよ! あと全然めでたくない!」


話を無理矢理まとめたけど非難が止まらない。

知りたいって言うから、包み隠さず話したのになぁ。


「だけどナル部長、動機と結果は残念でしたけど、こうして変われたのは良かったって思っていますから」


ナル部長のアドバイスを受けてから、体を鍛えて勉強も頑張る様になった。しかも睡眠中、年末の惨劇がたま~に夢で不意打ちリプレイされて、強制的に汗だくで叩き起こされ、不安を払拭するには努力を続けなければならないという、ひっどい呪いが課せられたのだ。


だけどそのお蔭て成績は上がり、体も引き締まり、体重も減った。(やつれた) しかもお腹にうっすらと腹筋ができてた事に気付いた時は、やたらとテンションが上がってしまい、全裸で風呂の鏡で何度もポーズを取ったりもした。ナル部長のアドバイスを受ける事で部活内の女子と会話する場面も増えた事もあって、自分がいい方向に向かっているのも実感できて、案外楽しかったのだ。


「これで告白が成功していれば、文句なしだったんですけどね……」


努力しても報われるとは限らない。

知っていた事だけど、実際そうなるとやっぱり辛いなぁ。


暗い気分になった後、話を聞いてくれているナル部長には申し訳ないと思ってしまう。だけど隣を見てみたら、ナル部長が笑っていた。…………何で?


「優太君が告白した相手って、ショートでメガネっ子だよね? 物静かで真面目そうな感じの」

「何故それを! どうして黒川さんの事知ってるんですか!」


いきなり黒川さんの特徴を当てられてしまった。もしかして知り合いだったの!? そんな設定聞いてないぞ!!


「試験前に図書室で勉強しようとした時に優太君を発見してねー、優太君の死角になる場所で勉強してたらさー、君の目線がちょいちょいある場所に向けられてるのに気付いてねー、そしたら女の子がいた訳ですよー、向こうもたまーに君を見てたしねー」


あの場所にナル部長もいて目撃されていたのか。

全然気付かなかった。


「黒川さんって名前なのかー。優しそうな子だったね。ちょっと地味な感じもしたけど」

「清楚で飾らない所がいいんです。勉強教えた時に『ありがとう』って言ってくれた時の笑顔とか凄く魅力的なんですよ」


あと体も細いし肌も綺麗だ。

真剣に勉強している時の横顔とかずっと眺めていたい程だ。


「フラれた子の自慢ってノロケ話になるのかな? 今の会話から二人の仲は良くても遊びに行ったりした事はないみたいだし」


無慈悲なツッコミが痛い。

それに今の会話だけで僕と黒川さん関係を把握された気がする。


「もう済んだ事です。そもそも何故こんな話題に!」

「うるさい! 少しは明るい話をさせろ!」


その後、黒川さんのどの部分に惹かれたかという話題が中心になり、恥ずかしながらも一つ一つ答えていった。その時のナル部長はずっと笑っている。途中から励まされているのではと思ったけど、やたらニヤニヤしているナル部長の顔を見て誤解って事にしておいた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ