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私式恋愛論  作者: Hugo=Yago
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第一版

短い話を書こう。

この列車はあと30分もすれば終点に着くから。

私が何でこの列車に乗ったか。

それは思い悩んで答えがでなかったから。

答えを求めて乗ったわけではないのだけど。

それはただただ逃げるため。


好きな人の顔が思い出せない。

それはよくあることらしい。

みんな悩んでいることらしい。

私も昔からそうだった。6年前に恋をしたときも。

さてでは今は?

確かに思い出せない。

あの人の顔はどんなだっけ。

布団に入って眠れないとき考えて。

ふと腕を組んでみて。

喧騒の中、目を閉じて。

思い出せども、見えてこない。


友達が言うには、私は好きな人の印象を好いているらしい。

それを聞いた雨の日の学校からの帰り道。

私はあの人の印象を思い出す。

それが私にとってのあの人の顔だ。

けれども何かしっくりこない。


次の日は晴れ上がった。

私は学校に行くと、あの人の顔をじっと見た。

教室のなか、私は懸命に記憶する。

1日中見ていた。


帰り道。

私は教室を出てあの人から離れた。

途端に顔が思い出せなくなる。

私はそれに気付くと駆け出した。

そのまま駅にいって列車に飛び乗った。

逃げるため。


私はケータイを出してあの人の写真を見る。

これはあの人。

けれども固まった、印象のない人。

顔のない人。

私はなんだか悲しくなった。


列車はあと2分もすれば終点に着く。

今日はここまで。




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