第六話
家に帰るとお客さんが来ていた。
若い女の人だった。
その人は帰ってきた僕たちに気がつくと、こんにちは と挨拶してくれた。
「あなたがウェズかな?」
こくりと頷く。
「あたしはシンディー。ベネットと同じ第三部隊で副隊長やってるの。よろしくね。」
ベネットと同じ部隊ってことは魔族ってことか。
確かに僕と同じ目をしている。
「シンディーはベネットと幼馴染みで隣町に住んでたんだ。お前の魔力の源がどこか知りたいだろう?シンディーに見てもらいな。そのためにきてもらったんだ。」
ばぁちゃんが呼んでくれたようだ。
シュンと顔を見合わせた。
タイミングが良すぎて笑えてきた。
ばぁちゃんが、どうしたんだい?と言わんばかりにこちらをみた。
「さっき、ちょうど見てもらえるように頼んでみようっていってたんだ!ばぁちゃんすげぇ。」
シュンがそれにこたえた。
「だろう?亀の甲より年の功だからねぇ。」
シンディーが笑った。
セミロングの髪が揺れる。
「シュンもシンディーに見てもらったんだよ。こんなちびっこい頃にね。」
椅子に座ったまま手を椅子の座席の高さらへんで手をひらひらさせる。
「え?もしかしてあの時のお店のひと?」
シュンが驚いてきく。
あぁ、さっきのシュンの話の人だったのか。
「お店…? あぁ、シュンのときはお母さんのカフェでみたんだっけ。」
シンディーが微笑んでいった。
「あたしの魔法の源は目。源があるところから魔力をつかうの。つまり、あたしだったら目をつかった魔法が使えるってこと。それで魔力が見ることができるの。それだけじゃないけどね。 ほら、シュンは源が手だから手を使うでしょう?」
確かに。さっきシュンは手を使って魔法を使っていた。
「じゃあ、僕は?」
「そう焦らないの。今みてあげるから。」
そういってまた微笑むとシンディーの目の色が黒から藍色へ、そして青へと変化していった。
「…あなた体中魔力があるけど…どういうことかしら?」
体中?
どこか一箇所じゃなかったのか?
しばらくシンディーはじっと僕を観察していた。
シンディーの目の色が黒に戻る。
「わかった。ウェズの魔力の源は"血"みたいね。」
血?…って怪我したら出てくるあの血?
あぁ、だから体中っていってたのか!
「珍しいね。手とか足とか目、耳とかはよくいるんだけど、血って初めてみたよ。シュンの両手も珍しいけどねー。ベネットといい、ここの家は珍しい人が集まるのね。」
シンディーがクスクスと笑った。
「俺も珍しいの?」
シュンが驚いていた。
「珍しいよ。片手は多いんだけどね。両手の人は治療魔法を使えるの。高度ではあるんだけど…練習してみて。二人とも、本とかで調べてみるといいと思うわ。もしかしたら血が源の魔族がいたかもしれないから、参考にしてみて。」
「うん!わかった!」
シュンの声にあわせるように僕も頷いた。
「あ!ばぁちゃん、魚。」
シュンが手に持っていた網を手渡す。
「ご苦労さま、ありがとね。
あ、シンディー、あんた今日泊まってくだろう?ついでにあの子たちの練習みてやってくれないかい?」
「まかせて。じゃあ、一日お世話になろうかしら。」
その日の夜、魔法について教えてもらった。
そしてシンディーは一日泊まって軍に戻った。
読んでいただきありがとうございます!
魔法練習をやっとはじめました♫
ここからですね! 笑
なるべく早く投稿できるように頑張ります‼
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