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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

愛は時に害虫となりて

あなたの死を悲しんでくれる人はいますか?

愛する人に笑われ蔑まれながら死んでいく物語。





愛は時に害虫となりて

 この手紙がこの物語がたった一人のために書かれたものだとしても、この手紙や物語は過去、現代、未来まで読まれるだろう。

 キミのいない世界には僕もいないから。脳が溶けるように甘い言葉をわざと選んでキミに捧げる。恋文すなわちラブレターは甘さが肝

 僕が勝てるとしたら愛の強さだけだから。


 それはあまりに高かった。

 芸術の中でもキラキラ輝く夜景、星空など美しい物を愛する青年のノゾムは、心の闇を隠しながら生きていた。

 僕は夢があった。

 結婚。それは僕にとってどんな煌めきより大切なもので愛する人と結ばれると考えただけで

 とろけるような妄想に浸った。


 昼ずっと一緒にいて

 夜は手を繋いで寝たい。離れ離れにならないように


 愛がありさえすれば

 二人で幸せになれる。

 


 あなたのいない世界に私もいないから

一緒に頑張って生きよ?


何通手紙を書いただろうか

あの閉ざされた塀の向こう側に


まだペンに手が届く限り

僕は彼女への想いを綴った。


あいつの死を知ったのは

彼女より早かった


あいつは立派な家系から出た作家で

すでに出版された本もあった


作風は斬れ味鋭い感情表現で、文学が下火となった今も

複数のファンがお別れの会に詰めかけた


しかしそこに彼女の姿はなく

彼の恋人だった彼女は入院してしまった。


友人としてお大事に

と手紙を受け付けに渡した


6月12日

今君がどうしているのか?

考えると胸が痛む

そばにいられないのが残念だけど

キミの回復を願っている


今は彼のために祈りを捧げよう

僕も彼のために祈る 既読


re ありがとう頑張る


6月15日

彼は君の幸せを願っていた

今だってこれからも 既読


re 彼は死んでしまったのよ。もういないのよ


6月15日

彼はキミの中で生き続けているよ。

だから、彼はずっとキミのそばにいる。

彼もキミが泣き続けているのを悲しんでいるはずさ。 既読


re じゃあ彼を返してよ。


6月15日

キミの苦しみは痛いほどわかる

でも彼はキミのそばにいるだけで

返ってくる事はないんだ

二人で彼を覚えていてあげなきゃ

彼のために祈ろう 既読


 返事はない。

 


6月20日

差し入れは届いただろうか

僕らはきっと新しい道のりを見つけなきゃならない

世界にはまだ見ぬ幸せまだ見ぬ絶景、味わい深い食べ物で溢れている


それをキミに見せたいんだ。 既読



re 彼の私物を差し入れて欲しいの



6月20日

それはやっぱりできないよ

私物も大半は家族に整理されてしまったし

彼の作品はもう持っているんだろう?


既読


re あなたが持っているでしょう

私には彼が必要なの


 血が滲むほどその文面を読み返し

僕は彼が僕にくれた処女作を彼女に差し入れた。


 私はすでにというより最初から

彼女を愛していたし、自分と彼の差を感じずにはいられなかった。


 しかし彼は立派な男であり作家としても秀でた才能を持ち、僕のような三流詩人と比べるまでもなかった。


 彼が立派過ぎた事で僕は彼女を諦めきれたし、

 しかし彼は死んでしまった。


 今でも彼に尊敬の念を抱いている。しかし僕は三流だがまだ生きている

僕が彼女を守る事で生きてる者の責務を

 果たすのが僕の役目だ。


僕は彼を殺したが、それはすでに自殺として処理されていた。


愛ゆえに僕は親友を殺めた。

それはしかたないことだった。


彼は作家として一流になれたらプロポーズするつもりだと

 僕にこっそり教えてしまった。


僕は覚悟を決め

彼を旅行に誘う。お忍びの旅行でプロポーズロケーション探しの旅に出て

彼は足を滑らせた。

  

僕は誰よりも先に彼の死を確認したが

第一発見者は

1週間も先だった。


彼は一人旅をしてくると伝言していたし

警察はヒマじゃない


自殺として処理されていった。


愛のために生きたい

僕の夢のため


彼女は僕の隣を歩くようになった。

僕は幸せだったが

彼は僕に何か言いたげに見えた


彼の目が語りかけてくる

四流詩人以下の人殺しが愛を語るのか?


愛しているんだ。彼女を

どんな手を使ってでも手に入れたい。


おまえは一流だったが

もう彼女を幸せにはできない。


その時は突如訪れた。

あいつなんてプロポーズする気だったんだろうな。


…。

 

彼は旅行に出かけたのよ

気晴らしだって


あ、ぁ。

そうだね。

すまない。思い出させてしまった。


彼女が最後の場所に選んだのは

隣の山だった。



せめて私の手で殺してあげたかったの。

ありがと。愛してくれて。

あははは。さよなら。


3つの命が眠っている。

 2つの命は天国で会えたのだろうか?

 同じ場所に眠っている


僕にはわからないけど

僕は本当に愛していただけなんだよ。


 彼女のはじける笑顔が本当に好きだった

 僕にも笑いかけてくれないか?


 あははは

 


 愛は時に害虫となるので。

 

 

体裁修正まだですが

私の死後輝いて欲しいから原文で

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