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やさぐれ少女〜世界を救わない〜

作者: リーシャ

世の中は不平等だ。


私は13歳で親を事故死で亡くした孤児。


その時、思った。


誰も助けてくれないことに。


じゃあ、私も助けない、と。


元々魔力というものを持っている超能力者だったけど、誰にも言わなかった。


世の中にダンジョンというファンタジー風味溢れた現象が現れてもう50年。


孤児に選択肢は狭く、中学を卒業してすぐにダンジョンへ向かう。


そこでバカスカ魔物、又はモンスターを千切っては投げ、千切っては投げていた。


一年を越す頃には有名になっていたが、亜空間に部屋を用意できる私は気にせずにダンジョンで暮らした。


身元保証人が居ない私には部屋一つ借りるのはめんどくさく、色々あって、諦めた。


あっても、保存するのが無理。


大人が耳障りの良いことばかり言うので、耳を塞いで狩りを続けた。


「ミディアムエンペラー」


新聞紙を久々に読むといつのまにかそう名付けられていた。


人は暇なのだろう。


ダンジョンに再度潜っているとモンスターも溜まったので精算しに行く。


「ミディアムエンペラーさん!」


警察の服をきた男を冷たい目で見ながらも歩みは止めない。


警察か。


一番助けて欲しかった時に助けてくれなかった人種。


「あの、ウチに来て欲しくて。至急、応援が必要で」


「法律で未成年の戦闘強要は禁止されている」


「今年、年齢が引き下げられて」


国が私を参加させるために変えた臭い。


でも、ダンジョン内は法が当てはまらない。


討伐中に呼ばれると不利益をダンジョン冒険者はかぶるから。


「これ、全部換金」


受付にモンスターを預けて付いてくる警察官を引っ付かせたまま、私はモンスター換金までの時間をダンジョンで過ごす。


転移を使い、離れた。


「私は転移が使えるから、どこでも行ける」


安全にものを得られもする。


国は私を使うために年齢を引き下げてしまった。


馬鹿にも程がある。


ダンジョンから高みの見物をしていると、やはり引き下げた年齢の子達がお金目的などでどんどん死亡。


何のために年齢の制限があったと思っているのだろう。


「私を使うためだけにここまで使い潰すっての?」


レベル0とかレベル1を実践で投入しても得られるものなどない。


死亡率があがり、当然政府は国民に叩かれる。


「どうして年齢を引き下げたんだ?」


「あの話、本当かもな」


「ミディアムエンペラーを使うためにって噂がある」


「噂じゃなくて本当のことなのでは?」


「じゃあさっさと戦わせろよ」


「やらせろ!」


「要請しろよな」


「戦え」


「戦え」


「「戦え」」


私が15歳になる頃には、子供に戦わせるなと言う空気が逆転し、戦わせろという気配に様変わり。


ダンジョンに住んでいるので意見が変化した理由なんて知らないし、気にならない。


相変わらず好きに討伐しては、モンスターを持ち込んで換金している生活を繰り返していたから。


「酷い話だな」


亡くなることで、どんどん子供の数も減った。


ただでさえ、子供が減ってお上は頭を抱えていたと記憶しているのだが。


なにを考えてこうなっているのか不明。


「換金しに行こう」


ギルドに行くと最近は毎回誰かに声をかけられるが、すぐに移動するので会話が成り立ったことはない。


「稼いで、早く何もせずにいる日がくればいいのに……」


両親がいなくなった日から、私は死んだも同然だった。

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