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ポーンと飛んで

作者: むいどま

少し変わった世界のおはなしをしましょう。


みんな車に乗ることをやめました。バスもごみ収集車も宅配便のトラックも走っていません。

何でそんなことになったのかは、もう誰も覚えていませんし車の存在を知らない人が大半です。町にはガソリンスタンドの看板も自動車屋さんの看板も見当たりません。

遠くに行きたいときはどうするかというと、目をつぶって想像します。お買い物に行きたいときはお店を想像して、幼稚園に行くときには幼稚園のことを考えます。

すると、体がポーンと遠くへ行ってしまうのです。着地に失敗して怪我をすることはありません。安全装置が働いていますし、もし怪我をしたって病院を想像すればすぐにお医者さんにみてもらえます。

乗り物といえば、心地よく想像するためのクッションだけで充分です。

みんなクッションが大好きで、ご飯を食べるときも寝るときもクッションで過ごします。お尻にクッションがくっついてしまいそうなほどにぴったりです。

みんなゴロゴロしているように思いますが、この人たちは歩くのも大好きです。景色を見て、自然を感じて、想像の力を蓄えるのです。

想像が上手になりすぎて帰れなくなることもあります。

例えば、ついつい恐竜なんかを想像してポーンと飛んでしまうと、ティラノサウルスのお口にすっぽりだとか、宇宙を想像してブラックホールに一直線だとか。

数えきれない帰宅困難者がいるのです。

いつかそんな彼らを救う救世主を想像すれば、出逢えるのかもしれません。

まずは歩いて、想像の力を蓄えに行きましょう。

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