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本好きゆめの冒険譚  作者: モカ☆まった~り
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パパとママの死

 ゆめの「厨二病」も何とかおさまり、


 高校生になった。


 成績は「中の上」。決して悪くはない。

 と言うのも、この高校は県屈指の進学校…。偏差値も高く、なかなか通らない「狭き門」の学校なのだ。


 高校でも、ゆめは「帰宅部」。

 学校が終われば、家に帰る―そんな毎日である。


 ゆめは元々、両親が高齢の時に授かった子供なので、ゆめが成長していくのに反比例して両親の体は思わしくなく、ちょっとしたことで床に伏せる。そんな生活になっていた。


 ある日、パパが胃が痛いと病院に診てもらったら、癌だと判明した。

 ステージ2・・・、手術をすれば大丈夫との事だったが、転移している可能性もあるかも知れないとの事だった。


 ママは告知を受けた時に一瞬、戸惑いの表情をしたが、冷静に医師の話を聞いていた。


「・・・どうしょう、パパが死んじゃう。」


 お父さん、お母さんに何とかならないか?の相談を持ちかけたが、「それが人間の運命さだめと言うもの、受け入れるんじゃ。」


「医療と癒やしの神は確かにおる。しかし、特別扱いは出来ん。諦めよ。」


「じゃあ、パパは・・・」


「そういう事じゃ・・・」


―私の力で何とかならないの・か・・・?―


 手術当日。

 パパが、ストレッチャーに乗り手術室へ。

 手術中のランプが灯った。


 その瞬間、時間を止めた・・・。


 荒野。「北風と太陽」の地。

 もっとも、今は「旅人」しかいないのだか・・。


 私は、ゼウスを呼び出しパパを記録させた。

 そして、癌と思われる場所を消して行く・・・。


 消えた!と思ったら、また浮かび上がる文字列。

 何度も消すが、浮かび上がる。


「嘘・・・。」


 ゆめは、何もできない自分の力を責めた。

 これが、運命という奴か・・・


 荒野から手術室へ戻った・・・。

 ママは懸命に祈りを捧げている。いるのだが・・・

 パパの運命を知ってしまったゆめは、何の言葉もかけられなかった。


 手術が終わる―。

 私達は個室に呼び出された。


 開腹をしたが、手を付けられる状態ではなかったので、すぐに閉じてしまったと言う。


 後何日生きられるか分からないとの事だった。


 数週間後・・・


 私は、いつものように学校へ行き、ベルと共に走って帰る。玄関の前で息を整え、いつものように「ただいま!」とパパに話しかける。


「…ああ、ゆめ。お帰り…」

 痩せ細った頼りないパパの声…。


 私は泣きそうになるのを堪えて笑顔を向ける。


「ゆめ、」


「なに?パパ。」


「僕達の所に生まれて来てくれて、ありがとうね。ゆめだけが、僕の生きがいだったんだ。こんなに大きくなって、パパは嬉しいよ…」か細い声で話す。


「何言ってるの?パパ。ウェディングドレスの私や孫の顔も見ないと駄目でしょう?」


「ああ、そうだな…ありがとう…」


「ゆめ、お願いがあるんだ…。」


「なに?パパ。」


「もう一度、女神様になってくれないか?大人のゆめを見たいんだ…。」


 ゆめは「女神バージョン」、ペガサスの羽、虹色の瞳、髪色に変身した。


「あぁ…。ゆめ、綺麗だよ…。君がお嫁さんになるところが見たかったよ…。」


 ゆめは手を握りしめ、「絶対、パパが気に入るような素敵な人と結婚して、パパとママと同じぐらい幸せになるからね!」


「楽しみだな…。」


 パパの息が止まった…。


「パパ…。」


 私は慌ててママを呼んだのだけど、何が起こったのかを悟ったママはキッチンから出ようとしない…。




 私とママは、一晩中泣きながらパパの骸を抱きしめた。


 パパの身体―。つめたい・・・




 葬儀も終わり、家に帰るとママは後を追うように倒れ…旅立った―。






「パパ、ママ。大好きだよ。ありがとう。」

 墓前に手を合わせる…。





 私は、「医療の本」を片っ端から、読み漁った。

 こんな悲しみを、他の人にさせてたまるか!

 私が、皆を守るんだ!


―そう思いながら…。

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