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本好きゆめの冒険譚  作者: モカ☆まった~り
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聖剣エクスカリバー

 私も中学生になり、今日は「入学式」。


 相変わらず、パパはビデオカメラを回し、ママはハンカチで涙を拭う。


 入学祝いに最新のゲーム機を買ってくれた。


 でも、ソフトは?と聞くと


 含み笑いのパパが取り出したのは、あの有名なRPGゲーム!制作発表から遅れに遅れ、やっと発売したから、私と一緒にやりたかったんだと、パパが言ってた。


 内容と言うのは、以前にパパが書いてくれたお話のようで、勇者が魔王討伐をして、世界を救うという噺。


 これから、パパと楽しいゲームの時間・・・




 私は「草原」に大の字で寝ていた・・・


 そこに優しそうな青年が声を掛けて来て…


「君、大丈夫かい?」と、手を差し伸べてきた!


 私は顔を真っ赤にし、


「だ、大丈夫です…。」


「おーい!勇者様!俺たちを置いていくなよ!」


「ごめんゴメン、女の子が倒れてるのが見えた物で…」


 どうやら、この2人は仲間なんだろう…え?「勇者?」


「君はこの辺の娘かい?でも、何だか見慣れない格好をしてるね。」


 そりゃそうだ、私は「剣と魔法の世界」から、程遠い世界の住民…。このゲームのプレイヤーなのだから…。


「だっ、大丈夫です!助けて頂きありがとうごさいます!どうぞ旅を続けて下さい!」

 と、言って逃げる様にその場を離れた…。


「何だったんだ?あの娘?」


「さぁ〜、勇者様に惚れたんじゃないか?」


「ばっ、馬鹿を言うな!行くぞ!」


 勇者様御一行の姿が見えなくなるのを確認して、現実世界に戻る。


 やっぱり、現実世界の時間は止まってる。「銀河鉄道の夜」の時と同じ現象だ…しかし、何で?本なら納得行くけど、ゲームよ?ゲーム。


「これは、確かめなければ…」

 私はお父さんに会いに行く。




「何もない空間」。


「お父さん、聞きたい事があるんだけど?」


「なんじゃ、ゆめ。」


 ゲームの中に入った事を話すと、


「そりゃそうじゃ!ゆめの能力は、もはや本だけに限らん様になっとるからの!」


 お父さんは腹を抱えながら説明をしてくれる。


「簡単な事じゃ、そのゲームもストーリーがあるんじゃないかの?」


 確かにRPGゲームは、勇者が魔王を討伐するまでの噺。


「ゆめは、物語全般にも干渉出来るのじゃよ。」


「どうすれば、世界の中に入らなくて済むようになるの?」


「それは、ゆめ次第じゃな。ゆめはまだ、自分の力の制御が出来ておらん。訓練次第で、制御出来るようになるから、まずは「集中して集中しない」ことじゃ。」


「それじゃあ、ゲームを楽しめないよ〜!」


「なに制御出来るようになれば、ゲームも楽しめようぞ。」


「そんな物なの?」


「そんな物じゃ。」





「現実世界」。


 時間を動かすと、パパの腕をつかんで、事の顛末を説明する。


 結果、パパだけがゲームを楽しんだ。

 私は隣で見てるだけ…。

 人がやっているRPGゲームを見ている・・・これは、つまらん。


 パパがゲームをクリアした後、私が挑戦!と言っても、「集中しないように集中する訓練。」人のプレイを見るのと、自分でやるのは、大違い!結構難しい!


 隣でパパがアドバイスをしてくれるけど、私は集中してはいけないから、直ぐにやられる。さっきは「スライム」に負けた…。





「パパぁ、魔王に勝つためには、どうしたらいいの?」


「そりゃ、レベル上げと、防具と武器だな。」


「どの武器が一番強いの?」


「そりゃ、『聖剣エクスカリバー』だな!ただ、この剣は岩に刺さっていてな、勇者と認められた人のみが抜けるんだよ。」





 ゆめは「時間を止めた」。


 確か、「聖剣エクスカリバー」は、お父さんが、持ってたはず!私の「カスタム桃太郎」の時、桃太郎に持たせたんだもの!


 ゆめは、「何もない空間」。に行くと、ゼウスに慌てて…。


「お父さん、聖剣エクスカリバーちょうだい!」


「なんじゃ?唐突に?」


「私の桃太郎の噺の時に、お父さんに持たせたあの剣の事だよ!」


「ああ、あの剣なら、ここにはないぞ。」


「え?なんで?」


「ゆめが、ちゃんとした「桃太郎」の噺を聞いて、儂を元に戻してくれたじゃろ?あの時に消滅したんじゃよ。」


「じゃあ、聖剣エクスカリバーは?」


「ない。」


「そんな〜!」


「エクスカリバーなんぞ、何につかうんじゃ?悪戯はいかんぞ?」


「違うよ!ゲームで勝てないから、強い武器が欲しいだけ。」


「そうかそうか!楽しんどると言うか苦戦しとるのか、ププッ。」


「お父さん、今、笑ったよね。」


「笑っとらん。」


「絶対に笑った。」


「笑っとらんて。」


「どうせ、私は下手くそですよ!」


 ゆめは消えてしまった…。


「あ〜あ、怒らせちゃった!」


 ヘーラーが嬉しそうに言う。


「次会った時は「お父さんなんてキライ」って言われて無視されるわよ。」


「ゆめー!そんなつもりはなかったんじゃー!怒らんでくれ!儂が悪かった!」


 空間の歪みに向かって叫ぶゼウスだった。

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