始まり
最初はただの好奇心だった。少し可哀想な少年だったからお世話をしようと思っただけなのに。
「お!彗太。今日の晩ご飯はお味噌汁か!我が貢ぎ物にちょうど良いものだな!」
なぜこうなったんだ?!
〜時は遡り、今日の夕方ごろ〜
「……うーん?今日のご飯は何にしようかな〜?」
学校が終わり、1人のんびりと家に帰っている星川彗太は今日のご飯を何にしようか悩んでいました。ここ最近、インスタント食品ばかり続いていたので、そろそろ自炊しないとなと考え始めます。
「たしか、家にお味噌あったから今日はご飯とお味噌汁でいいか〜」
彗太は晩御飯を決めたことにより、いつも通りマイペースに帰路に着きます。
「ただいま〜。って言っても僕しかいないんだけどね〜」
彗太は笑いながら靴を脱ごうとすると、突然まばゆい光が彗太を襲います。
「うわっ!なんだこれ?」
彗太は眩しくて目を開けることができません。光がおさまり、目を開けるとそこには見知らぬ少年が彗太の前に立っていました。
「はっはっはー!お前が星川彗太だな?」
少年は元気よく彗太に尋ねます。
「え?うん。そうだけど……君は?」
「僕の名前はカイト!君を守護するよう天界から任命されてここに来たんだ!」
彗太はポカーンとして、口を開けています。
「む?どうしたんだ彗太?さては僕の力に恐れをなして声も出ないのか!やはり僕は天才的な天使様だな!」
「いや、そうじゃなくてね。とりあえずずっと玄関にいたくないから、そこどいて欲しいんだけど……」
彗太はマイペースに答えます。
「そうかそうか!では、話の続きは向こうの部屋に行ってからということだな!」
少年はそういうと、トコトコとリビングの方へ歩いて行きます。
(天使っていうぐらいだから、フワフワ飛んでいくのかと思ったけど、歩くんだ……)
彗太はそう思いながら、靴を脱いでリビングへと向かいます。
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