第6話 防御戦
侵攻軍は先遣隊として兵1万5000。しかし、要塞周辺はこの大軍を十分に展開できる場所はなかった。ここに置ける兵は5000。1万は本国に帰らざるを得なかった。
「クソ、何なんだこの要塞は!攻略するには最低でも2万8000はいるぞ!なのにここには5000しか配置できん!」「落ち着いてくだされハスバドル卿。ここは火矢でも打ってみていかがですかな?」「そうもいかんテウタロス卿。相手側の弓は何故か我々よりも射程が長い。それも1.5倍程度な。」「なっ、ど、どうすればいいのだ…」
「しかし貴殿のいう火矢はいい案だと思う。そこで、盾兵と協力して前方から射撃。敵をひきつけている間に精鋭部隊が横から魔法で攻撃するというのはどうだ?」
「おお、いい案ですな!早速部隊の選別を行いましょう!」
それから1周間が過ぎた。
「全然攻めてこないじゃない。もうこちらから仕掛けようかしら。」「おやめくだされ殿下!もしものことがあったらどうするのですか!」
「冗談よ冗談」「殿下ならやりかねないから言っているのです!」
「報告!敵約2000の弓隊が盾兵と一緒に前進を開始しました!」「報告!敵の軍勢約100人が要塞横に向かって移動中!その約半数は魔法部隊です!」「正面の弓隊は投擲隊と騎兵を出せ!横は特殊盾隊と弓隊で対処だ!配置につけ!」
「了解!」
「ハスバドル様!精鋭部隊が敵に気づかれました!既に戦闘になっているようです!こちらの被害は甚大!既に10人ほどが死傷しています!」
「な!?そ、そんな馬鹿な……なぜ気づかれたのだ……っ!とにかく部隊を撤退させろ!」
「既に部隊長が撤退を指揮しておりますが、追撃が激しく帰還できるのは半数程度かと……」
「伝令!正面部隊壊滅!また、騎馬隊1000がこちらに追撃中です!」
「伝令!その騎馬隊の後ろから弓騎兵500が追従しています!」
「何ぃ!?と、とりあえず槍隊と弓隊を前に出せ!本陣は撤退!その他も少しずつ撤退を開始せよ!」「了解!」
「報告!敵本陣撤退を開始しました!」
「追撃に出している騎馬隊を交代!私の騎馬隊は続け!」「了解!」