願いの先、想いの行方
悲劇は起こった。【紅き雨の惨劇】後にそう呼ばれるようになる事件――二百万を越える人々がたった一日で死を運ばれた――は大陸全土を震撼させ世界を深い悲しみに陥れる。それから一年が経ち人々も少しずつその哀しみから抜け出そうとしていた。忘れたい、許せない、先へ進みたい、止まっていたい…………様々な思惑が行き交う中、それでも世界は変容していく。そして、物語は動き出す。四つの歯車が絡み合い、ギリギリと音を立てゆっくりとだが確実に回っていく。あの【紅き雨の惨劇】は少年少女たちの運命を大きく狂わせ、破滅へと向かわせていく……