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りょーちゃん家で宿題

「お邪魔します」


 家に帰る前に、りょーちゃんの家に寄っていく。

 宿題の量が多かったので、手伝ってもらうことに。


「あら、千里くん。いらっしゃい」

「こんにちは、智子(ともこ)さん」

「遊びに来たの? うちの子になる?」

「宿題を見てもらいに来ました」

「ちゃんと勉強するなんて偉いわね。うちの子になる?」

「りょーちゃんのおかげです」

「我慢できないから抱きついていい?」


 むぎゅぅ。


 答える間もなく、抱きつかれる。


「んー、これこれ。このふにふにな感触よ」

「あの……苦しいです……」

「おっと、勉強の邪魔しちゃ悪いわね。あとで茶でも持ってくわ」


 ひらひらと手を振って、自室のほうへ歩いていく。

 海外に出かけることも多いそうなので、あいさつの仕方が激しい。

 背が高くてかっこいいので、すごく様になっているけど。


「やるか」

「うん」


 りょーちゃんの部屋に行って、宿題を始める。

 いつもの数学と、漢字の書き取り、英語の翻訳。

 ひとまず、自分でわかる範囲を進めていく。




「これで合ってる?」

「間違ってる」

「……あ、ホントだ」


 途中の計算式で数値ミス。

 テストだと×になってしまうので、気をつけないと。


「お茶持ってきたわよー」

「ありがとうございます」

「水ようかんしかなかったけど、千里くん食べる?」

「はい、いただきます」


 宿題する手を止めて、差し入れをいただくことにする。


「それと、制服のままだと窮屈でしょ?」

「大丈夫です」

「よかったら、コレ着てみない?」


 と、一緒に持ってきた服を渡される。

 着替えるだけなら、一度家に帰れば済む話なんだけど。


「……?」


 服を広げてみると、リボンやらフリフリした何かが付いていた。


「コレ、女の子用の服ですよね……?」

「そう? 男の子が着てもいいと思うけど」

「どう見ても、スカートなのですが……」

「ああ。スカートっぽく見えるだけで、中はズボンと同じよ。だから、男の子が着ても大丈夫」

「な、なるほど……?」

「そういうことだから、脱ぎましょう」

「えっ?」

「いいから、いいから」


 服を脱がそうと、手をワキワキしながら近づいてくる

 いくらスカートじゃないといっても、見た目はかわいらしい感じになっている。

 少なくとも、好んで着るような服ではない。


「サンプル品をもらってきたヤツだから、感想が欲しいのよ」

「感想というと……着心地とかですか?」

「ええ。そこのデカブツはもちろん、私も着れないし、千里くんしか頼める人がいないのよ」

「でも……」

「せっかくもらってきたんだから、何か一言くらいないとクライアントに申し訳なくて」

「その……」

「ちょっとだけでいいの! お願い!」

「……ちょっとだけなら」

「ありがとー! さすが私の千里くん! 愛してる!」


 むぎゅーっと抱きつかれる。

 いつもお世話になっているし、ちょっとだけお手伝いしよう。


「それじゃ、さっそくお願いね!」

「はい」


 服を着替え始める。


「あの……」

「ん? どうしたの?」

「見られていると、恥ずかしいのですが……」

「ああ。りょう、着替えるから出ていって」

「りょーちゃんじゃなくて、智子さんです」

「ん? 何か恥ずかしがる要素があったっけ?」


 首をかしげながら聞き返してくる。

 モデルという職業柄か、肌を見せることに抵抗はないみたいだ。


「1人じゃできないというなら、手伝うわよ? むしろ、手伝わせて?」

「だ、大丈夫です!」


 端っこのほうに行って、ひっそりと着替え始める。

 どうせ見せることになるんだし、さっさと着替えてしまおう。




「どう、ですか……?」

「……」


 腕を組んで、じっくりと眺めてくる。


「リボンが曲がってる。シワも伸ばして」

「は、はい」


 言われた通り、身だしなみを整えていく。


「背筋も伸ばして」

「はい」

「もっと笑顔で」

「こ、こうかな……?」

「さらに、ダブルピース」

「ピース……?」


 予想外の注文に困惑する。


「うーん……髪もまとめましょうか」

「服とは関係ないような……?」

「全体的なコーディネートを考えたら必須でしょ!」

「は、はい」


 ポケットからクシを取り出して、ボクの髪をすいていく。

 普段から持ち歩いているらしい。


「はぁ……さらさらでクセがなくて羨ましい髪だわ」

「智子さんの髪も、きれいですよね?」

「クセっ毛だから、ストレートパーマかけてるのよ。雨の日は大変よ?」

「そうなのですか」


 おしゃべりしつつも、慣れた手つきで髪を結んでいく。


「よし、できた」

「……」


 頭を触ると、サイドに結ばれた髪が。

 リボンも付いている……?


 パシャ。


「?」


 パシャパシャ。


「あの……」

「なぁに?」

「どうして写真を撮っているのでしょうか?」

「そりゃ記念として残すため……じゃなくて、いろんな角度からチェックすることも必要でしょ?」

「そうかもしれませんが……」


 写真として形を残されてしまうと、やっぱり恥ずかしい。


「いいよいいよー。こっち向いてー」

「……」

「こりゃ、たまりませんわ。(あかね)ちゃんにも送っとこ」

「あまり広めないでほしいです……」

「任せて、個人的に楽しむ用だから」

「?」

「あぁー、もう……天使すぎるっ!」


 カメラを放り出して、抱きついてくる。

 触り心地の確認だろうか。


「……よし、部屋に持ってこ」

「あの……そろそろ宿題やらないと」

「おっと、そうだった。持ち帰るのはあとにしよう」


 追加で写真を何枚か撮ってから、部屋に戻っていった。


「……」


 あれ?

 着心地の感想は、よかったのかな?


「続きやるか?」

「あ、うん」


 あんまり長く休憩していたら、りょーちゃんに迷惑がかかってしまう。

 残っている宿題を片付けてしまおう。

 結局脱がされてしまいました。

 押しに弱すぎるようなので、あーんなことや、こーんなことも、頼めばきっとやってくれうひょーぅ!

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