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ファーストダンジョン2

「ここって、初級ダンジョンだよね?」

「ああ」

「それにしては、受けるダメージが多いような……」

「バーサク(※1)とリミブレ(※2)使ってるからな」

「スキルの効果?」

「ATK上昇DEF減少と、与ダメ被ダメアップ」

「そういうの好きだよね」


 デメリットのある火力スキルとか、りょーちゃんの大好物。

 『防御を捨てた一撃』とか『残りHPが少ないほど大ダメージ』みたいな。


「スキル使わなければ、普通に耐えられるの?」

「1発10ちょい」

「それくらいなら、なんとか……?」


 りょーちゃんのHPで、5発耐えられるかどうか。

 ボクだと4発くらい?

 装備はある程度そろってるだろうから、ボクだともうちょっと被ダメージが増えるかも。


 カラララ……。


 話しながらも、スケルトンを倒していくりょーちゃん。

 攻撃は全部任せてもよさそうなので、耐久型ヒーラーにするのがいいかな。

 あっ。

 そういえば、ヒールも覚えたんだっけ。

 りょーちゃんのHPが減っていたので、使ってみる。


「ヒール!」


『krbrxのHPが10回復した』


「……あんまり回復しないね」

SLv(スキルレベル)低いからな」


 もう一度ヒールを使うと、今度は11回復した。

 固定値ってわけではないようだ。


「消費も多い」


 現在のMPだと、回復しているだけでMPが尽きそう。

 純支援を目指すなら、かなりMPを増やさないときついかも。


 カラララ……。


 テレレッテレー♪


『レベルが1上がりました!』


 気がついたら、最初の部屋の敵を倒しきっていた。

 公平設定でパーティーを組んでいるので、何もしなくても経験値が入ってくる。

 早く役に立ちたいな。




「なんか、赤いのがいる」


 次の部屋。

 白いスケルトンの中に、赤い鎧を着たスケルトンがいた。

 見た目からして、ちょっと強そう。


「赤スケは攻撃スキル使ってくる」

「それっぽくなってきたね」


 だんだんと敵も強くなってくるだろうし、足を引っ張らないようにしないと。


「さっきと同じように、避けてから反撃でいいのかな?」

「それでもいいが、スキルは通常でつぶせる」

「えっと……発動時間の関係?」

「ああ」

「なるほど」


 スマッシュやヒールを使った時も、すぐには発動しなかった。

 相手の動きをよく見ていれば、対処できるのかも?


「カウンターも使ってくるから、見てから投げ。遠距離攻撃でもいい」

「遠距離攻撃……」


 まだ攻撃魔法覚えてないから、それらしき手段がない。

 投げられそうなアイテムもないし。

 ……あ。

 そういえば『ヒールで攻撃(※3)』って通じるのかな?

 見た目は完全にアンデッドだし、RPGのセオリーとしてはいけるはずだよね?


 カタカタカタ。


 目が合った『レッドスケルトン』が襲ってくる。

 動き自体は、白いスケルトンと変わらない。


 シュィン!


「!」


 持っている剣が淡く光る。

 スキルの合図!


「えいっ!」


 教わった通り、通常攻撃で対応する。


 ぺち。


『レッドスケルトンに8のダメージ!』


 当たった!

 相手も振りかぶっていたので、ひやひやしたけど。


 ぺちぺち。


 のけぞっているところへ、さらに追撃。

 3発ほど殴ったところで、攻撃が届かなくなる。

 攻撃するごとに、ノックバックが発生する仕様のようだ。

 格闘ゲームっぽい感じ。


 シュィン!


「?」


 スキルを使った音がしたけど、攻めてこない。

 剣を横に引いた構えで、静止している。

 防御じゃないってことは……カウンタースキルかな?


「ヒール!」


 せっかくなので、ヒールアタックを試してみる。


『レッドスケルトンに5のダメージ!』


 通った!

 ファンタジーのお約束にもれず、このゲームでも有効らしい。

 けど……あんまり強くない。

 これくらいのダメージだったら、投げたほうがいいかも。

 MP消費もあるし。


 カタカタカタ。


 今度は、スキルを使わずに近づいてきた。

 回り込むように動いて、攻撃を回避。

 反撃でペチペチ殴る。

 まだ倒れない。

 もう一度スキルを使おうとしたところを攻撃し、どうにか倒す。

 鎧を着ているだけあって、ただのスケルトンより耐久力がある。


 テレレレッテレー♪


『レベルが1上がりました!』


 りょーちゃんがもりもり倒しているので、さくさくレベルが上がっていく。

 まだ序盤なので、必要経験値も少ない。

 レベルアップでHPとMPが全快する仕様なので、しばらくは休憩なしでいけそう。


「そういえば、休憩系のスキルってあるの?」


 一通り倒したところで、りょーちゃんに聞いてみる。


「ある」

「やっぱり、あるんだ」

「自然回復速度(※4)が上昇する『おすわり』や状態異常回復の『おひるね』」

「ホントに休憩っぽい!」

「冒険者の基本スキルにある」


 スキルページを開いて、それらしきスキルを探す。


「んーと……」


 あった。

 スキル説明も書いてある。

 取得済のスキルは明るくなっていて、それ以外のスキルは灰色。

 冒険者スキルだけでも、かなり種類があった。

 中には、見ただけでは効果がわからないスキルも。

 『ダンボール』とか『すまいる』とか、何に使うんだろう……?


「ブレス!」


 効果を確かめるため、他のスキルでMPを減らす。


「おすわり!」

「モーション専用スキルだから、座るだけでいい」

「恥ずかしい!」


 叫んじゃった。

 りょーちゃんと2人きりの時でよかった。

 町中で叫んでいたら、すごく恥ずかしいことになっていた。


「これでいいのかな?」


 言われた通り、しゃがみ込んでみる。


「……?」


 ちゃんと効果が出てるのかな?

 他のスキルみたいに音や光が出ないので、わかりづらい。

 MPを確認すると、回復量が……増えてる?

 ような、気がする……?


「自然回復量が2倍になる」

「なかなか有用っぽい?」

「自然回復量が最大MP依存だから、ベースLv上げて(マインド)振れば実感できるくらい回復する。(知力)でも回復量増えるがMのほうが多い」

「なるほど」


 現状だとMP消費がきびしそうだし、なるべく使っていったほうがいいかも。

 座っている間しか効果がないので、使い所が難しそうだけど。


「りょーちゃんも使ってるの?」

「ああ、相手の行動読み時間で」

「戦闘中に使うと、すきだらけになりそうだけど」

「ならないタイミングで使えばいい」

「できるかな?」

「慣れ」


 うまく距離を取ったり、ダウンさせたりって感じかな?

 いろいろ試してみよう。


「MP効率気にするなら、ジャスヒ(ジャストヒール)使うといい」

「うん?」

「被ダメ直後にヒール当てると、ジャストボーナスで回復量アップする」

「えーと……?」

「実際にやってみたほうがわかりやすい」


 そう言って、次の部屋へ入っていく。

 いつの間にか倒し終わってたらしい。

 次の部屋も、スケルトンとレッドスケルトンの混合。


「さっきと同じ条件で攻撃食らうから、タイミング合わせてヒールしてくれ」

「うん、わかった」


 近くにいたスケルトンに足払い。

 追撃を1、2……ここだ!


「ヒール!」


『kbrxのHPが10回復した』


「あれ?」


 回復量に変化がない。

 失敗かな?


「対象者との距離による着弾ディレイが発生するからな。タイミングは体で覚えるしかない」

「距離でも違うんだ」


 HP回復のついでに、距離による違いも確認。

 言われてみれば、遠くからやったほうが遅いかも?

 位置取りを確かめてから、もう一度攻撃を受けてもらう。


「ヒール!」


『kbrxのHPが12回復した』


「できた?」

「できてる」

「やった!」


 回復量はほとんど変わらないけど、成功したみたいだ。

 なんとなくのタイミングはわかったけど、実戦で動きながらとなると難しそう。


「ちなみに、HP以上の攻撃食らっても死なない『パーフェクトジャストヒール』もある」

「それはすごいね」

「猶予2フレ(2/60秒)で、ダメージ以上の回復量がないと成功しないが」

「条件はきびしいんだ」


 判定が2フレームしかないとなると、狙って出すのは無理っぽい。

 できたらラッキー、くらいに考えておくのがよさそうだ。


「そういえば、回復ポーションの性能ってどう?」


 モーションや魔法のディレイ時間から考えて、連続ヒールは難しい。

 ポーションの性能が良ければ、ポーション連打のごり押しがいいかもしれない。


「店売りのポーションは持続型だから、即効性がない。即回復のヤツは調合限定だから、GvG(ギルド戦)FB(フィールドボス)狩り需要で高騰してる」

「MPのほうも?」

マナポ(マナポーション)(※5)も調合のみ。普通の狩りで使ったら赤字確定」

「ごり押し戦法は無理っぽいね」


 囲まれたら、回復する間もなくやられそう。

 ヒールのレベルも、しっかりと上げないとダメっぽい。


「盾か鎧パッシブ(※6)取って被ダメ減らすのが、序盤のテンプレだな」

「りょーちゃんは取ってないよね?」

「当然」


 言い切っちゃうあたりが、りょーちゃんらしい。

 火力全振りって言ってたから、そういった寄り道は一切なさそう。


「ある程度は防御も上げとかないと、ソロとかきつくない?」

「当たらなければどうということはない」

「かっこいい!」


 ボクもそんなセリフ言ってみたいけど、りょーちゃんほど上手くは動けない。

 無理をせず、防御スキルにも振っていこう。


「次行くか」

「うん」


 細長い通路に入っていく。

姪っ子が的確に人体の急所を狙ってくる件


※1、バーサク:バーサークの略。

 ATK(物理攻撃力)を上げてDEF(物理防御力)を下げる捨て身のスキルその1。

 このゲームのステータスはマイナスまで突入するので、裸で使うとよりエキサイティングなことになる。


※2、リミブレ:リミットブレイクの略。

 与ダメ(敵に与えるダメージ)を上げて被ダメ(敵から受けるダメージ)も上げる捨て身のスキルその2。

 一見バーサークと同じスキルに見えるけど、補正がかかる部分が違うらしい。

 結果的に、自分も敵も死にやすくなることに変わりはない。


※3、ヒール攻撃:本来はHPを回復するスキルであるが、アンデッドなど一部のモンスターには逆にダメージになることを利用した攻撃方法。

 同じように、復活魔法だと即死攻撃になることもある。

 現実世界で説明すると、太陽の光を浴びたり、学生の純愛を目の当たりにした時。


※4、自然回復:ぼーっと立っているだけでもHPとMPは回復していく。

 現実世界だと寝ているだけでも疲労することもあるのに。


※4、マナポ:MPポーションのこと。

 ポーションの色が青いことから青ポと呼ばれたり、ゲーム内表記のマジカルパワーからマジポと呼ばれることもある。

 最初にしっかり決めていなかったせいで、『マジカル』パワーだったり『マナ』ヒールだったり表記が安定していない安定と信頼のぐだぐだ運営。


※5、パッシブスキル:一度取得したら常時発動する効果のこと。

 ヒールやスマッシュなど、その都度使うスキルはアクティブスキルと呼ばれる。

 現実で説明すると、加齢臭がパッシブ、屁がアクティブ。

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